徳之島トライアスロン初中止決定

島民の命・健康を優先し、徳之島トライアスロン大会の初の中止を決めた検討委員会(実行委)=20日、天城町役場

新型コロナ禍で「島民の命・健康を優先」
実行委検討会

 【徳之島】第33回2020トライアスロンIN徳之島大会の実施検討会(同大会実行委員会主催)が20日、天城町役場であった。新型コロナウイルス感染症の影響で開催日を7月5日から11月15日に延期措置していたが、全国的に感染者が増え続け収束の兆しがみえないコロナ禍の現状下、「島内への感染未然防止」や「島民の命を第一優先に」などを理由に、初の「中止」を最終決定した。前日に予定したKIDS大会も同様の措置となった。

 共催の徳之島3町当局をはじめ関係機関・団体の代表らが出席。大会会長の森田弘光天城町長は「島民の皆さまの大きな協力と声援で(連続)32回開催。いろんな局面があったが、新型コロナ禍の強行突破(大会決行)は、島民の生命・健康にかかわる」など方針を示唆。事務局側が、新型コロナ感染症に関する全国・県内の状況やイベントの開催状況、徳之島大会の開催および中止時の懸案事項(リスク)などを報告した。

 報告によると、大会エントリー数(7月31日現在)は計480人(総合の部415人、リレーの部24チーム・65人)。全国的なトライアスロン大会中止によって新規申し込みが増え、中止した場合は「徳之島大会の魅力や観光地など発信の絶好の機会がなくなる」などリスクも。

 大会の「中止理由」には、①全国的に感染者が増え続け、収束の見込みがない中、県外からの人の移動が活発になる当大会。感染防止対策を講じても徳之島大会の魅力が半減し、確実な感染封じ込めも困難②現状から島民の不安が払しょくできない③島内での感染者やクラスター(感染集団)発生など最悪の事態が生じた場合、歴史ある徳之島大会がイメージダウンに④島民の命を第一優先に考え、島内への感染未然防止、本大会のブランドを守る観点から「中止せざるを得ない状況」(要旨)―を報告。全会一致で承認した。

 「遅くてもあなたが主役!」をキャッチフレーズに1988(昭和63)年に始まった同大会。第23回2010年大会は宮崎県内で発生の家畜伝染病(口蹄疫)対策のため唯一延期開催例があるが、中止は今回が初。

 来年の第34回2021トライアスロンIN徳之島大会は6月27日、第10回記念チャレンジKIDS徳之島大会は前日26日にそれぞれ開催する。

 森田町長は「島民の命・健康、安心安全がかかわるため苦渋の(中止)決断となった。今年開催できなかった分、来年はもっと楽しく期待のできる大会にしたい。エントリー選手や島民の皆さまのご理解とご声援をお願いしたい」と話した。