奄美市、コロナ緊急対策第3弾

ほーらしゃ券プレミアム率発行数を拡充
奄振交付金など2億6573万円計上

 奄美市は21日、総額2億6573万円の新型コロナウイルス感染症緊急対策事業(第3弾)を盛り込んだ2020年度一般会計補正予算(第5号)を専決処分した。例年実施しているプレミアム商品券「ほーらしゃ券」の発行枠とプレミアム率を拡充するほか、国の緊急経済対策補正予算(奄振交付金)を活用した観光促進事業などを盛り込んだ。

 予算の内訳は、感染拡大防止対策関連費が2288万円で、経済対策が2億4285万円。奄振交付金などの国庫補助金1億1074万円と市財政調整基金1億5499万円を充当した。これまでに発表した第1弾と第2弾の対策事業と合わせたコロナ関連予算の総額は58億2457万円で、うち市単独分は11億4166万円となった。

 感染拡大防止対策では、避難所の感染予防対策(1100万円)として、間仕切り用のパーテーション(約250個)、簡易ベッド(約100個)、簡易トイレ(同)を市内の避難所114カ所に配備する。

 主な経済対策では、ほーらしゃ券発行事業に8150万円を計上。これまで5千円(プレミアム率10%)で販売していた商品券(500円券11枚つづり5500円分)を、今回は4千円(同37・5%)で購入できるようにした。また、できるだけ多くの市民が利用できるよう昨年度より1万2千冊多い5万冊を発行する。

 1人10冊(5万5千円分、購入額4万円)を限度に、11月1日からの販売開始を予定。
現在利用されている奄美市応援券の取り扱い店舗を登録店舗として継続。換金手数料もなく、事業者負担をゼロにした。

 国の持続化給付金の対象(売上げ50%以上減少)から漏れた事業所(個人事業主含む)の救済策として実施している事業所支援給付金は、売り上げ減少の対象期間を12月まで延長、申請期間も来年1月29日まで延長した。同給付金は、売り上げが前年比20%以上50%未満減少した事業所に一律30万円を給付する市の独自支援策で、市内約2500事業所の半数に当たる1250事業所の申請を想定。6月から受け付けているが、8月12日現在、164件、総額4859万円の交付(予算執行率13・0%)にとどまっている。新型コロナ影響の長期化が見込まれることから、支援期間を延長した。

 奄振関連事業では総額1億6085万円を計上、うち、奄振交付金は1億1024万円。タクシーやレンタカー、体験プログラム事業者の感染防止対策支援に2千万円。観光業関連の支援策では、外来植物の調査と、駆除を行う市民参加型体験プログラムなどを提供するガイド事業者や海中観光資源の調査や市民参加型のダイビングプログラムを提供するダイビング事業者を支援する誘客促進事業に3298万円。奄美空港と市街地などを結ぶ路線バス5台に奄美の自然や文化などのデザインのラッピングを行う事業に1千万円、観光客1万人を対象に特産品を提供、観光誘客や特産品の販路拡大につなげる事業費6600万円などを盛り込んだ。