サトウキビ塩害を懸念

サトウキビ塩害を懸念

台風9号の通過に伴う強風と高潮でサトウキビへの塩害が懸念されている=1日午後1時ご、徳之島町南原で

徳之島地区 一転して〝かぜ台風〟

 【徳之島】非常に強い台風9号の北上接近に伴い、徳之島地区では1日午後1時ごろ天城町で、また同4時半ごろには伊仙町でそれぞれ最大瞬間風速21・6㍍を観測(いずれも気象庁アメダス)。家屋被害など深刻な報告は幸いないが、南東寄りの強風とともに海岸には高さ8㍍前後の高波が終日押し寄せ、サトウキビを中心に農作物への塩害の懸念が広がっている。

 台風9号に伴う前日(8月31日)からの降水量は、天城町(徳之島空港)で18㍉、伊仙町(面縄)も16・5㍉=1日午後7時現在=と少ない〝かぜ台風〟傾向で推移。西海上の北上ルートから、南東~南南東寄りの強風とともに潮風が島を覆い続けている。

 南西糖業㈱徳之島事業本部(農務部)は、サトウキビへの影響について、「最悪の折損被害は少ないが葉部裂傷が目立つ。雨量が少ないため特に徳之島町全域~伊仙町目手久地区にかけての塩害が心配される」(松山洋次郎農務部長)。1日夕現在の降雨量だと被害度(4段階の甚・多・中・少)のうち上から2番目の「多」に匹敵する可能性も指摘。「台風通過後の雨が欲しい。(スプリンクラーなど)かん水設備のある農家は〝除塩かん水〟を」とも話した。