「タイマイウミガメ」のはく製寄贈

今村校長からタイマイウミガメのはく製を受け取る奄美市立博物館の平城さん(16日、芦花部小中)

タイマイウミガメのはく製

芦花部小中から奄美博物館へ
状態よく、くん蒸後展示予定

 奄美市の芦花部小中学校(今村敏照校長)は16日、奄美市立博物館へ「タイマイウミガメ」のはく製を寄贈した。博物館では、現在アオウミガメのはく製を展示しており、今回寄贈されたはく製も燻蒸=くんじょう=処理を施したあと展示する予定だという。

 タイマイウミガメは別名「べっこう」ウミガメとも呼ばれる。国際自然保護連合(IUCN)絶滅危惧種IA 類。奄美大島でも産卵が確認されているが、確認数は少ないという。特徴はとがった口、甲羅の縁がのこぎり状で、うろこ板が瓦のように前後に重なるところ。一般的な成体は甲長80㌢、甲幅60㌢とされている。

 同はく製の大きさは甲長32㌢、甲幅22㌢。1967年に同校へ寄贈され、保管していたもの。当時の寄贈者は不明だという。

 県では1988年から「鹿児島県ウミガメ保護条例」を制定しており、県内全域の海岸(海域を除く)で許可なくウミガメを捕獲することや、卵を採取する行為は禁止されている。

 校長は「貴重なものなので、多くの人の目に触れてほしい」と話している。

 同博物館の平城達哉さんは「現在ウミガメのはく製を入手すること自体が難しい。状態の良いものを寄贈いただきありがたい」と感謝した。