来場者に交通事故防止の啓発チラシを配った
環境省奄美群島国立公園管理事務所は24日、奄美市住用町の黒潮の森マングローブパークでアマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーンイベントを行った。同事務所によると、奄美大島では今年に入り同日現在34件の交通事故死を確認しており、調査開始の2000年から最多件数を大幅に上回った(過去最多件数は17年の26件)。8月末までは25件だったため、約2カ月で9件の確認数となる。自然保護官補佐・晝間さよこさんは「林道だけでなく国道や県道での事故も確認しているので、引き続きゆとりある運転を心がけて」と強調し、警戒を強める。
この日はマングローブパーク建物入り口に同事務所の職員4人と、奄美自然体験活動推進協議会の職員1人が立ち、来場した観光客や島民へ啓発チラシを配布。アマミノクロウサギのマスコット「あまくろ」も登場し、「事故多発」の旗を振り輪禍防止を呼び掛けた。
交通事故件数が増えた要因の一つとして晝間さんは、マングース駆除事業が進んだことによってアマミノクロウサギの個体数が増加傾向にあり、道路に出てくる回数が増えたことを挙げた。
同キャンペーンは観光客が増加する夏期からアマミノクロウサギの活動が活発になる秋期にかけて環境省が例年実施している。対象は奄美大島と徳之島で、今年は9月15日~11月15日の期間に特別イベントやラジオ、各市町村広報誌などで周知を図っている。
また、同日は奄美希少種3種保護増殖事業10カ年実施計画で5年に一度行う希少種3種(アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラノツグミ)の認知度などを図るアンケートを実施した。
奄美市から訪れた女性(33)は「生き物好きの息子(7)と夜出かけたときに、郊外へ行くにつれてスピードを出している車が目立った。まずは島民が島にいる生き物に興味を持つことが大切なのではないか」と話した。
アマミノクロウサギなどの動物がけが、または死亡している個体を見つけたら奄美野生生物保護センター?0997・55・8620または徳之島管理官事務所電話0997・85・2919まで。