秋季全国火災予防運動始まる

秋季全国火災予防運動ポスターを前に、防火意識の向上などを呼び掛けた職員たち

住警器の設置と点検を
コロナ禍、イベント影響
冬、空気乾燥や暖房器具注意

 火災が発生しやすくなる冬場を前に火災予防の普及を図る2020年度「秋季全国火災予防運動」が9日、全国各地で始まった。奄美市名瀬の大島地区消防組合消防本部(野崎浩敏消防長)では、奄美大島内の新型コロナウイルス感染者確認を受け、式典など人が接する大半のイベントを中止。ポスター掲示やメディアを使った広報活動で、住宅用火災警報器(住警器)の設置や機器の点検など、防火意識の向上を呼び掛けていく。15日まで。

 同本部によると9月末現在、管内の火災発生件数は25件(前年同期比7件増)。区分別では住宅を含む建物火災15件と6割を占めた。
 原因別では、たき火5件(同2件減)、火入れ5件(同3件増)が最多。コンロの消し忘れや寝たばこ、コンセントやプラグのすき間にあるほこりや水、劣化が要因となって火花が散るトラッキング現象など、不注意から出火に至るケースも増えているという。

 同本部予防課によると、特に力を入れているのが住警器の点検。すべての住宅への設置義務付け開始期日の2011年から今年で10年目を迎え、その当時に住警器を設置した住宅は交換時期に入るという。同課予防係・安田竜稔主査は「住警器が正常に動作しなければ火災に気づくのが遅れ、逃げ遅れなどにつながる恐れもある。この機会に点検や交換をしてほしい」と話す。

 また、冬にかけては空気が乾燥し、暖房器具を使う機会も急増する。同課は「コンセントの容量を超えて使わないよう適正電力の把握に努め、たばこなどの火元は確実な消火を心掛けてほしい」と呼び掛けている。

 なお、運動スローガンは「その火事を防ぐあなたに金メダル」で、重点項目は、▽住宅防火対策の推進▽乾燥時及び強風時の火災発生防止対策の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物における防火安全対策の徹底―など7項目。同本部では期間中、メディアでの広報や幼年消防クラブによる予防活動、各消防署で横断幕やポスターを掲げるなど、啓発に取り組んでいく。