「人も猫も犬も幸せに暮らせる島に」

待望の拠点で活動を本格化させた「わんにゃんハートネットとくのしま」の仲間たち=15日、徳之島町

徳之島初の動物愛護団体、待望の拠点設置
救護・里親探し、啓発活動にも注力

 【徳之島】「犬も猫も命がおびかされない『人も猫も犬もしあわせに暮らせる島』を実現するため協働を」。徳之島初の動物愛護団体「わんにゃんハートネットとくのしま」(政田由美子会長、会員36人)の活動拠点となる待望の保護施設(シェルター)がこのほど、徳之島町亀津に設置された。動物の救護・里親探しなどのほか「適正飼育・終生飼養・不妊去勢」啓発活動にも注力する。賛同会員やボランティアなど協力を呼びかけている。

 「わんにゃんハートネットとくのしま」は、飼養放棄された犬・猫の保護や里親探し、里親の元への空輸手伝い(パッケージボランティア)など個々に自主活動をしていた動物愛護家たちが肩を寄せ合い約3年前に発足。しかしボランティア団体のため拠点がなく、民間主導の動物愛護運動の啓発・普及のためにも切望されていた。

 場所は、移転閉鎖した旧徳之島町特別養護老人ホーム徳寿園の施設の一部(2室約30平方㍍)を再再利用。町側が同活動の趣旨に理解を示し、期限付きながら無償貸与することになった。17日現在、飼養ができなくなった子猫計9匹を大切に保護中している。これまで沖永良部島などの引き取り希望者(里親)にも届けられている。

 待望の拠点確保に、政田会長(47)=伊仙町=や幸千恵子事務局長(63)=徳之島町=らは「人間と自然の共存を目指し、いかなる動物にも優しい島にするため、さまざまな関係者と協力・協働。わんにゃん(犬・猫)にも命があり、心があることを全島民に伝え、適正飼育・終生飼養を進めたい」。さらに、世界自然遺産登録を目指しながら犬・猫の放し飼いが多く、徳之島は県内保健所の捕獲頭数で常にワースト1にあることも指摘。「犬も猫も幸せに暮らせる島。人間と動物が共存し、いかなる生物にも優しい島に」と訴える。

 同拠点をベースに今後、適正飼育や終生飼養の推進・里親探し、放置・遺棄された野良猫や犬の保護への協力、飼い主の高齢化や病気などに伴う一時預かり、シェルターの増設、人と猫が共生する「地域猫活動」、パッケージボランティア活動―などを推進ていく。

 同団体はこれら活動に賛同する会員(月会費500円=猫の健康診断、治療費、ワクチン接種、不妊去勢手術、啓発活動などに活用)やボランティアを募集中。個人・団体からの寄付金や物資支援(フードなど)の協力も呼び掛けている。

 問い合わせは「わんにゅんハートネットとくのしま」会長・政田さん(電話090‐8768‐7431)か事務局長の幸さん(電話090‐2509‐6556)へ。