在宅介護サービス事業者で組織する奄美大島介護事業所協議会(盛谷一郎会長、38法人)は、同協が中心となり、奄美大島内で新型コロナウイルス感染症が感染拡大した場合でも介護サービスの提供が継続できるよう基本方針などを定めるとともに、支援チームの創設を目指している。「命を守りつなぐ」ため利用者の安全確保を第一に、必要とする介護や生活を支援することで利用控え・空白を解消していく。
支援チームの創設は今月14日にあった同協の理事会(15人の理事のうち13人出席)で承認された。11月中の発足を目指しており、現在、盛谷会長ら役員が医師会や行政など関係機関に出向き説明、協力を求めている。今後、協議会内での説明会や研修も予定する。
策定された介護サービス提供継続の支援計画によると、掲げている基本方針は①利用者の安全確保②介護サービスの提供継続③従業者(ヘルパーなど)の安全確保―の三つ。支援体制の整備は、協議会と関係団体は「『奄美大島地域介護サービス提供継続支援チーム』を組織し、奄美大島コロナ警戒レベルごとに対応」するもの。実際に取り組む支援チームは全体を統一して管理する代表や副代表、事務局を配置し、警戒レベルに合わせてレベル1~3実行チーム、同4~5実行チーム、収束~回復期実行チームなどで構成していく。
新型コロナ感染者が施設や事業所で確認された場合、介護サービス事業所は感染対策を徹底し利用者への介護サービスを継続するが、職員が不足するケースなどでは事前に交わされた協定に基づいて他の施設・事業所から応援職員が派遣される。それにより利用者への介護サービスの空白が生じないような体制を作るとともに、感染防止に必要な備品の確保についても支援チームが担っていく。
訪問・通所・居宅介護・福祉用具貸与など在宅介護サービスの提供で各事業者は競合関係にあるが、それぞれの事業所や施設が行うサービスが継続できるよう、各事業者が連携、職員の派遣(施設等での受け入れではなく在宅への派遣で対応)で協力し合う。同協議会の盛谷会長、勝村克彦副会長、長谷川大副会長は「少しでも早く体制が確立できるよう民間主導で支援チームを発足し、万が一の事態に備え、介護が継続できるようにしたい。介護の最前線に立つのはサービスを提供する民間事業所。感染拡大のリスクは常にあるだけに、できることを自ら取り組み、行政など関係機関の協力をお願いしていきたい」と語った。