ステージ2を維持

塩田知事「危機感を持って行動を」

 【鹿児島】県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が11日、県庁であった。12月に入って県内でも感染者増加しているが、県が定める感染拡大の警戒基準4段階のうち、「感染者漸増」のステージ2を維持するとした。ただし、今後の感染状況によっては「感染者急増」のステージ3に引き上げる可能性もある。会議後に会見した塩田康一知事=写真=は「年末年始を迎え、感染リスクが高まっている。危機感を持った行動を」と県民に向けて感染拡大防止を訴えるメッセージを発した。

 今月、徳之島、出水、鹿児島市でクラスター(集団感染)が発生し、9日は40人の感染者が確認され、1日の最多感染者数を更新した。県では対応可能な病床数を207から342に増やした。9日時点の入院患者数は64人で、占有率は18・7%。ステージ3の指標となる20%以上を下回っている。重症者数も1人であることなどから、医療、経済の専門家などの意見も踏まえた「総合的な判断」(塩田知事)で、飲食店の時短・休業要請や県外への移動制限を検討するステージ3への移行は見送った。「今後引き上げる可能性もあり、引き続き、感染状況、病床の占有率など、緊張感を持って注視していく」(塩田知事)。

 他県からの来県自粛、GoToトラベル・イート使用の制限なども「現段階では考えていない」が「感染が身近なものになっている」と警告。引き続き「各人がうつされない、うつさない、基本的な感染症対策の徹底を」と訴えた。塩田知事は「一部県民の間で警戒感が緩んでいるのではないかと感じる。県民の皆さんには危機感を持って行動してもらいたい」と注意を呼び掛けていた。