発掘現場の説明を聞く参加者ら=与論町=
城の大きさや築城年代考察
【沖永良部】与論城跡発掘調査説明会(与論町教育委員会主催)が13日、同町の現地であった。集まった地域住民ら約20人は、石垣や発掘場所を見て回り、いまだ特定されていない城の大きさや築城年代を考えた。
2020年度地域の特色ある埋蔵文化財活用事業に係る関連シンポジウム「明らかになる与論城跡」の一環。城跡は、約600年前の人物で北山王の三男・王舅(おうしゃん)や、約500年前の人物とされる花城真三郎が築城主と伝えられているが、築城年代は明らかになっていない。現在、19年度から5カ年計画で国指定に向けた調査が行われている。
説明会には、山元宗町長や町岡光弘教育長も参加。同町教育委員会学芸員の南勇輔さんが案内し、十五夜踊り保存館付近の発掘現場では「室町から大正時代までの焼き物が出土している。島民がこの場所を使い続けていた証拠になる」と説明。城の外郭線の一部と考えられる石垣なども見て回った。
町岡教育長は「島の文化を知る良い機会だった。城を見て、島に残っている歴史を振り返ったり、島の人の暮らしを考えたりすることができた。シンポジウムをきっかけに多くの住民に城の価値を伝えていきたい」と話した。