「本の福袋」を選ぶ子どもたち
思いがけない本との出会いを
県立奄美図書館利用呼び掛け
奄美市名瀬の県立奄美図書館(日髙京美館長)は、5日から同館1階に「本の福袋」コーナーを設け、貸し出しを開始した。同館は「この機会に新たな本との出会いを」と利用を呼び掛けている。
「本の福袋」は、中身の見えない紙袋の中に、図書館職員がテーマごとに選んだ本が2冊入っているというもの。同館の西村真美主査によると、福袋の企画は今年で5回目。職員16人がそれぞれ自身でテーマを決め、おすすめ作品2冊を選び、対象者などを記載した紹介カードを添えた。普段書庫に入っている本もあるという。今年は子ども向け32袋、一般向け8袋の計40袋を用意。テーマは「大切な仲間」「ふしぎないきものたち」「鬼」「明るいミステリー」などさまざまで、なくなり次第終了となる。
「忍者」の袋を選んだ田中謙心くん(4)は「忍者が好きだから」。「ぼうけん」の袋を選んだ名瀬小3年の田中琳人=りひと=くんは「ネリヤカナヤ創作童話コンクールで佳作をとってから、難しい本もよく読むようになった。今日は国語で習った『たから島のぼうけん』を思い出して『ぼうけん』の袋にした」と語った。同コンクールは県図書館協会奄美支部が主催し、小学生~高校生対象、2020年度は計184人の応募があった。
西村さんは「普段手にとらない本に出会えるチャンス。毎年好評で、土日に借りる人が多いので、早めに来館してほしい」と呼び掛けている。
日髙館長によると、今年度の来館者数は前年度比で減少しているものの、1回の来館で多くの本を借りる傾向にあり、貸出冊数は増加しているという。