「龍郷エリア」が開通

加世間峠までの5㌔の山道ウォーキングに挑戦。赤ちゃんを前に抱っこして歩く親子(右側)の姿も見られた

奄美トレイル 80人、加世間峠まで記念ウォーク
自転車愛好家も山道登る

 奄美群島をつなぐ長距離の自然歩道「世界自然遺産 奄美トレイル」の「龍郷町エリア」開通記念イベント(県、龍郷町主催)が9日、町生涯学習センターりゅうがく館前のとおしめ公園内で開かれた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため規模を縮小し、20集落住民代表、町議会議員ら約80人が参加して開催。開会式でテープカット、記念撮影などを行った後、参加者はトレイルコースの一部となっている「りゅうがく館~加世間峠」に至る約5㌔の山道を歩き、自転車愛好家6人はマウンテンバイクなどで登り、開通を祝った。

 奄美トレイルは、奄美・沖縄の世界自然遺産登録を目指す取り組みの一環として、2016年からコース選定が始まった。奄美群島の8島12市町村をつなぎ、奄美ならではの自然や文化にふれあうことを目的としている。20年度中に全14エリア51コース、約550㌔の全線開通を目指す。残るエリアは瀬戸内町の加計呂麻島・請島・与路島の3カ所。

 併せて「奄美トレイル全線踏破プレジェクト」(かごしまカヤックスの野元尚巳氏主催)が今月5日から喜界島を皮切りに始まり、コース選定に協力した野元氏が全コースを歩く計画。県と奄美の市町村と協力しながら奄美トレイルの魅力の情報発信をする。

 「龍郷町エリア」は①秋名・幾里・嘉渡・円・安木屋場コース~サンゴと夕日の荒波ロード~「絶景の夕日と荒波路。田園風景にも癒される」②安木屋場・龍郷・久場・瀬留・玉里コース~歴史とロマンが残る西郷ロード~「西郷ゆかりの地。西郷隆盛の足跡をたどってみよう!」③りゅうがく館・加世間峠・行盛神社コース~ふたつの海を見渡せる絶景トレッキングロード~「インスタ映えする絶景ロードには、じょうご伝説や平家伝説が語り継がれる」―の3コースを選定した。

 この日の開通記念イベントは、「世界自然遺産 奄美トレイル開通式&トレイルウォーク(龍郷町エリア)」と銘打って行われ、開会式で県環境林務部の原口義明次長、竹田泰典町長、野元氏があいさつした。関係者6人がテープカットして開通を祝った。

 出発前にウォーキングポールの使い方の説明もあった。

 参加者は午前9時半すぎにりゅうがく館前を出発、「ワークセンター奄美」を過ぎた辺りから山道を登り、約1時間~1時間半かけて加世間峠に到着した。

 参加者に「世界自然遺産 奄美トレイルMAP」等が入ったエコバッグを贈呈した。

 嘉渡集落の藤山博文区長は「こういう所を初めて歩いた。眺めが良い」と話し、1歳4カ月の娘の理瑚奈ちゃんを抱いて歩いた俵悠斗さん(29)は「風も強くなく、マイペースで楽しむことができた」と笑顔で話した。