奄美大島の自生地で開花した「キイレツチトリモチ」(西康範さん撮影)
まるでキノコのよう 見頃は今月まで
奄美大島の冬を代表する植物「キイレツチトリモチ」が奄美大島の自生地でひっそりと開花する姿を、西康範さんが撮影した。キイレツチトリモチは、見た目はまるでキノコのようだが、葉緑体を持たない被子植物。トベラやシャリンバイ、ネズミモチなどの樹木の根に寄生する。10月~12月の間に黄白色の花茎を出して受粉する。
国指定天然記念物となっており、県のレッドリストで準絶滅危惧種に名を連ねる。
名前は当時の喜入町で発見されたため、「キイレ」。また、鳥を捕獲するトリモチの原料としても使われているという。
花茎の大きさは11~13㌢、直径約2㌢の円錐状。花穂の表面には茶色の雄花が点在しているのが見られるが、表面にあるぶつぶつの突起物につくため、見えにくくなっている。
西さんは、奄美で久しぶりに晴れ間が広がった9日に、トベラの樹木の根元で撮影。日が当たると茶色が目立ち、日陰で見ると白さが際立つという。「例年通りの開花」と話し、見頃は1月中としている。