救急通報、208件減

119番通報を受ける奄美市消防組合本部の通信指令センター(資料写真)

大島地区消防組合 20年管内119番通報概況
コロナ感染懸念で躊躇か

 119番の1月19日に合わせて大島地区消防組合消防本部はこのほど、2020年に管内で発生した火災、救急、救助などの「119番通報概況」を発表した。通報総件数は前年比で261件減の5439件。中でも「救急」の通報が前年比208件減の3436件となっており、同部は「特に風邪の症状による搬送が少なく、コロナ感染の懸念から救急車を呼ぶのを躊躇=ちゅうちょ=する人が多かったのでは」と分析している。

 通報の主な種別では、「火災」が前年比同の51件、「救急」が前年比208件減の3436件、「救助」は同14件増の54件。減少については、感染の懸念から通報をためらう人が多かったとみられること、コロナ禍で通報訓練が少なかったことなどを一因に挙げた。

 この他の通報種別を多い順で見ると、「119試験」が329件、「通報訓練」が275件、「重複」が245件。減少数順では、「通報訓練」が91件減、「間違い(誤報)」が78件減、「119試験」が38件減と続いた。

 通報手段別では、「携帯電話」が2510件(前年比168件増)、「一般電話」が1791件、「IP電話」が670件と、普及に伴い「携帯電話」からの通報がより顕著となった。月別では、9月が521件と最も多く、緊急事態宣言発令後の5月が341件と最も少なかった。

 一方、同部が独自に推進する、18言語対応の外国人向け「3者同時通訳119番通報」、聴覚・言語機能障がい者に対応した「Net119緊急通報システム」での20年の通報はなかった。同部は「引き続き利用推進を図りたい」として、「救急車のサイレン吹鳴による運行」「災害ダイヤル(0997―57―3111、0997―57―3112)」と合わせ、啓発や周知に取り組む方針だ。

 同部では、通報があった際には目的地の特定が一刻も早い救助や搬送につながるとして「通報時は慌てず落ち着いて、建物や番地、目標物をわかりやすく伝えてほしい」と呼び掛けている。