奄美市、時短要請1週間

飲食店の時短要請から1週間を迎える奄美市内の繁華街

「外食離れ」「客戻るか心配」
飲食店ら先行き懸念

 鹿児島県の新型コロナウイルスの感染拡大警報を受け、奄美市飲食店の午後9時(酒類同8時)までの営業時間の短縮要請が始まってから1日で1週間を迎える。時短に応じた店からは「協力金は助かる」などの声が出る一方、「外食離れが怖い」「客が戻ってくるか心配だ」と懸念も広がっている。

 奄美市内の繁華街にある居酒屋の男性店長は時短要請に対し、「厳しい状況で助かるという思いもあるが、客にはゆっくり楽しんでほしいという願いもある」と訴える。14日間で56万円の協力金も「家賃や光熱費は補えても従業員の給料までは賄えない」。それでも午前0時までの営業時間を短縮した。「通常通り営業したいという思いはあるが、続けた所で客が入るという保証もない」と要請に応じる決心をしたという。

 同じ繁華街に店を構えるバーの男性は「要請に従えば2時間しか営業できない」と期間中の休業を決めた。「協力金があればしばらくは乗り切れる」。要請が解除される8日には店も再開予定で「元気に再開できるよう準備をしておきたい」と話した。

 一方、今回の時短要請開始から通常の店舗営業と合わせて弁当のテイクアウトを始めたという飲食店もある。店頭に立つ男性は「アルバイトには2週間の休業をお願いした」と苦しい事情を吐露する。新たなサービスについては「従業員でミーティングを重ね話し合った。要望があればデリバリーも行う」「コロナの収束が見通せない中こういった状況はまだまだ続く可能性があり、ウイズコロナ時代を見据えた飲食店を模索していきたい」と語った。

 だが、奄美市内では昨年12月にも感染者が発生し、年末年始のかき入れ時もにぎわいを取り戻すまでは至らなかった。時短営業や休業が続くことで経営者らからは「家で過ごす時間が増えたせいであきらかな外食離れを感じる」「お客さんが戻ってくるのか心配だ」など不安視する声も漏れる。ある店主は「時短が続くことで意欲も落ちる。まち全体が活気を失わないかも心配だ」と先行きに不安を口にした。

 要請対象は、奄美市を含む県内5市。期間は2月7日までの14日間となっている。