たわわに実ったタンカンに笑顔の平井さん親子
2020年度産「奄美たんかん」のハサミ入れ式(JAあまみ大島事業本部主催)が1日、奄美市名瀬浦上の果樹園であった。生産者と同事業本部、県大島支庁、奄美市など関係者約60人が出席。今季産の豊作を願いながら鮮やかに色づいたタンカンにハサミを入れ、収穫シーズンの到来を喜んだ。
式は平井常一さん(70)、寿樹さん(43)親子が園主を務める同市名瀬浦上の果樹園「平井オレンジグロウヴ」で行われた。同事業本部果樹部会の大海昌平部会長は「他産地の収量が例年より少ない見込みのなか、奄美産地のブランド力を高める機会にしたい。選果場を有効活用し、農家の経営安定にもつなげたい」などと呼び掛けた。朝山毅市長や県大島支庁農政普及課の田中浩人課長らが祝辞を述べた後、寿樹さんが、減農薬など生態系に配慮した栽培を心掛けていることなどを説明「今後も工夫を重ね、さらにおいしいタンカンを作っていきたい」と抱負を語った。
平井さん親子は約40年前からタンカンの栽培を開始。現在、278㌃で栽培しており、年間20~30㌧ほどを出荷している。常一さんは「台風などの被害もなく、例年より大玉。味、色味も例年通り上々の出来映え」と話し、寿樹さんも「ビタミンたっぷりのタンカンを食べてコロナ禍を乗り切ってほしい」と話した。
JAあまみによると、今季産は大きな気象災害がなかったことなどから豊作が見込まれているという。昨年12月以降、日照不足や長雨などの影響で生育状況も心配されたが、1月に入り天候も回復、色づきは例年より若干遅いものの、昨年の出荷量約77㌧を大幅に上回る約130㌧の出荷を見込んでいる。平均単価1㌔約460円、販売総額約6000万円を目標に宅配の強化やネット通販なども推進する。
収穫は2月いっぱい続き、今月10日から20日ごろに収穫のピークを迎える。JAあまみは「豊作による樹勢の衰えに気を付けてほしい。来年以降に備え、収穫が8割程度終了した段階での施肥や葉芽がでる時期の液肥などの管理も忘れず行ってほしい」と、生産者らに呼び掛けている。