交通事故のケナガネズミ初の野生復帰

野生復帰したケナガネズミ(提供写真)

 

すぐに治療すれば回復可能性
環境省、「事故防止に協力を」

 

 
 環境省奄美群島国立公園管理事務所は15日、交通事故が疑われるケナガネズミ保護個体が野生復帰したと発表した。奄美大島でケナガネズミの傷病個体が野生復帰したのは初めてだという。同事務所は「野生動物の交通事故防止にぜひ協力を」と呼び掛けている。

 ケナガネズミは奄美大島、徳之島、沖縄島北部にのみ生息する日本最大のげっ歯類で、国内希少野生動植物種に指定されている。奄美大島でのケナガネズミの交通事故数は2016年3件、17年4件、18年1件、19年14件、20年4件、と毎年発生しており、野生復帰できたのは今回が初めて。

 2020年12月20日午後9時ごろ、一般住民が網野子トンネル北側の国道58号線上(奄美市)で負傷したケナガネズミを発見、一時保護し、翌日ゆいの島動物病院に持ち込まれた。けがの様子から交通事故が疑われ、同院で治療が行われた。歩行や採食行動などに支障がない程度に回復したため野生復帰可能と判断し、21年2月10日に森林奥地に放獣。放獣時は30分ほど動かなかったが、次第に周囲を慎重に確認しながら無事に森林内に帰っていったという。

 ケナガネズミやアマミノクロウサギなど、野生生物の交通事故は多発しており、今回のように国道などの大きな道路でも事故が発生。同事務所は「奄美大島ではどんな道路でも生きものが出てくる可能性がある。特に夜間は、生きものにも優しいゆとりを持った運転を」と呼び掛けている。

 また、今回のように、負傷している場合もすぐに治療すれば回復できることもある。けがをしたり死んでしまった希少種を見つけた場合はすぐに奄美野生生物保護センター電話0997・55・8620へ連絡を。