給食に「徳之島黒毛和牛」すき焼き

徳之島町内の小・中学校給食に「徳之島黒毛和牛のすき焼き」=3日、同町亀徳小で

徳之島町 ブランド化、地産地消を願い

 【徳之島】徳之島町は3日、「徳之島町生まれ徳之島町育ちの純徳之島産黒毛和牛のすき焼き」を、町学校給食センターを通じ、町内の全小中学校13校の児童生徒・職員1135人の給食に提供した。新型コロナウイルス禍での思い出づくりと併せて、黒毛和牛の生産・肥育一貫体系づくりによる「徳之島牛」ブランド化、地産地消もアピールした。

 新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金を活用した「徳之島育ち肥育牛活用事業」(事業費)の一環。同町亀津(大原)の農業法人㈱奄美大運畜産(松田大志代表取締役)が、生産牛(約330頭)の飼養と並行して、2018年9月から子牛生産・肥育まで一貫試行した黒毛牛2頭のうち1頭分(枝肉重量424・8キロ、正肉量240キロ)を町が購入していた。

 町農林水産課によると、「枝肉価格が下落している地元産の肥育牛の枝肉を買い上げ、世界自然遺産登録を見すえて〝徳之島牛〟のブランド化や地産地消」。さらには、コロナ禍で諸行事の中止など影響のあった児童生徒や卒業生たちに、「おいしい黒毛和牛のすき焼きを食べて学校生活の思い出に」(同課畜産係長・川田隆博さん)などがねらい。

 「純徳之島産」の趣旨はそれぞれ校内放送などで事前に周知したという。和やかに舌鼓を打っていた亀徳小6年生の朝ミケル君は「正直、島内で生産されることを知らなかったが、生産した人の思いが詰まった味。全国の人に食べて欲しい」。芝里桜(りお)さんも「普通の肉よりも脂濃くなくて、柔らかくて食べやすかった」と目を輝かせていた。

 同町では今年度から町単独の「肥育委託事業」(2年継続、総事業費約1900万円=ふるさと納税基金)を推進。町内の畜産農家3戸に計6頭(2頭は町受精卵センターを利用)の肥育を委託。地場産の糖蜜やタンカンの搾りかすも飼料に混入するなど肉質の差別化、「徳之島牛の」ブランド化の模索。年末には生体出荷して枝肉の等級(ランク)や課題なども把握するという。