平土野アートプロジェクト再始動

平土野アートプロジェクトを支えている徳之島高美術部員やOG=6日夕、天城町平土野

コロナ禍の閉塞感払拭を
徳高美術部が壁画制作

 【徳之島】天城町商工会青年部(安尾哲志部長)は平土野集落(安田博幸区長)と提携し、同商店街の活性化を目指す「平土野アートプロジェクト」を2年ぶり再始動した。今回も徳之島高校美術部(平野良光顧問、部員7人)や元部員OGたちが今年1月から壁画制作に協力。若い感性とやさしさで「徳之島らしさ」を描いた壁画アート作品4か所が6日までに加わった。

 同プロジェクトは、かつて同町内の中心的商圏を担いながら量販店の進出や消費者の町外流出などで空洞化が進んだ平土野商店街地区の活性化を願い2017年度からスタート。諸事情で19年度は休止したが、同青年部が「新型コロナウイルス感染症で強まった閉塞感を少しでも払拭し、明るいまちづくりに」と奮起。今回は、町の集落提案型事業も活用して平土野集落との共同取り組みとした。

 壁画の当初からの基本テーマは「徳之島らしさ」。美術部員たちは市街地の景観を損なわないよう、淡くやさしい色彩で、サンゴ礁やクジラ、アマミノクロウサギなど島の名物を図案化して散りばめ、水性ペンキで粘り強く描き進めた。観光客など来訪者が、壁画を背に記念が撮影できるよう「天使の羽」などもデザインし、さりげなく地名も入れた。

 壁画制作に参加した同校美術部1年の仲野美海さん(16)は「私たちが描いた絵を通して島内外の人に平土野を知ってもらいたい。写真も撮ってSNSにアップするなど拡散して欲しい」とPR効果にも期待。師弟同行で絵筆をとった顧問の平野教諭(40)も「徳之島自然など有名なものがモチーフ。平土野のまちの活性化のため観光客などの記念になるもの。元来あるこの街や土地の色彩など、雰囲気などを壊さないように努めた」。

 同プロジェクトでの壁画はこれで計13カ所に増えた。商工会側は「まち歩き的な事業に絡めた写真コンテスト入賞者への商品券贈呈など、(青年部とともに)イベントも検討していきたい」(狩集大指導員)と話していた。