奄美市と協定を結ぶ事業者間で、高齢者の見守りについて意見交換した
奄美市は同市名瀬浜里町の奄美病院デイケア棟で23日、「高齢者見守り活動に関する協定」を結ぶ市内の民間事業所との意見交換会を開いた。市消費生活センターと高齢者福祉課が、高齢者の消費者トラブル事例や見守り活動などにより高齢者の保護につながったケースなどを報告。「定期的な代引きや振り込みが増える」などの高齢者の見守りポイント8項目をあげ、事業所に協力を求めた。事業所からは、日々の業務などを通した見守り活動の現状と課題などについて意見が寄せられた。
同市は2014年度から民間事業所と、見守り活動などで連携を進めており、これまでに名瀬郵便局や九州電力奄美営業所、奄美信用組合、生協コープ鹿児島など市内の14事業所と協定を結んでいる。この日は、南海ガスなど協定を結ぶ6事業所のほか、未協定ながら今後、活動に協力を予定しているヤマト運輸大島北部支店の担当者らが出席した。
市消費生活センターによると、2019年度に寄せられた相談件数は346件に上り、うち、65歳以上の高齢者の相談は93件で、全体の3割近くを占めた。相談内容では架空請求や商品の契約・解約などの消費者トラブルが多いことなどが指摘された。
また、通信販売やインターネット通販などによるトラブルでは、定期購入と知らず、「初回実質0円」などの広告に乗せられ契約したケースや、メール、ハガキなどによる架空請求の手口などを紹介。「高齢者の不安3Kの孤独・お金・健康に付け込んでくる」などと指摘した。
高齢者の見守りでは、「自宅のリフォームが頻繁に行われる」「見慣れない段ボール箱や品物、領収書がある」「電話を取るのを敬遠する」「外出が増えた」などをチェックポイントにあげ、「少しでも気になることがあれば、地域包括支援センターや消費生活センターに連絡を」などと呼び掛けた。
意見交換では、高齢者の緊急連絡先の登録や成年後見制度の活用などを求める意見があった一方、「プライバシーにかかわることも多く、どのタイミングで相談すればよいのか、どこまで個人情報を提供できるのか、判断が難しい」といった意見もあった。