土砂崩れ、河川増水も

増水した有屋川と浦上川の合流地点=奄美市名瀬=

海空の便乱れる 名瀬は観測史上最大雨量に

 奄美地方では2日、前線の影響により雷を伴う非常に激しい雨に見舞われた。この影響で、島内各地で土砂崩れや道路の崩落などがあり、海・空の便ともに乱れた。

 名瀬測候所は午後3時50分に大雨警報(土砂災害)、洪水警報、雷注意報、強風注意報、波浪注意報を発令し、土砂災害や河川の増水への注意を呼び掛けた。

 奄美市名瀬では本茶峠でがけ崩れがあり、通行止めとなっている。また、奄美中央線朝仁=塩浜間の赤崎線、知名瀬方面の道路が崩落し、こちらも通行止め。

 龍郷町では、民家の近くで軽い崩土が見られ、住民1世帯2人が近くの集会所に自主避難した。

 空の便ではJAC沖永良部=鹿児島便や奄美=与論便など計5便が欠航、13便に遅延や引き返しが生じるなど、奄美群島各地の空港で影響が出た。

 海の便では、「クイーンコーラル8」2日午後6時鹿児島新港発下り便が条件付き運航。「フェリーあまみ」鹿児島本港北埠頭発下り便と3日の平土野発上り便が欠航。瀬戸内町営「フェリーかけろま」は条件付き運航、同町営「せとなみ」が池地港のみ就航し、与路港と請阿室港は抜港となった(午後5時現在)。

 同測候所によると、降り始め(1日午後6時)から2日午後4時までの降水量は奄美市名瀬で128・5㍉、奄美市笠利で81・5㍉、天城町で95・5㍉。また1時間当たりの総雨量は多いところで伊仙町39・5㍉、和泊町41・0㍉などが観測された。また奄美市名瀬では48時間あたり172・5㍉、72時間あたり196・5㍉と、4月の観測史上最大雨量を観測した(03年観測開始)。

 きょう3日の天気は低気圧や湿った空気の影響によりくもり、明け方まで雨の見込み。東の風やや強く、降水確率は午前0時から午前6時まで50%、午前6時から正午まで30%、午後20%。