高齢者対象12日大和村開始

ワクチン接種 奄美市など他市町村は5月から

 65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日から全国で始まる。県内でも大和村と鹿児島市で同日に実施されるほか、奄美群島の市町村では5月中に接種が開始される見込みとなっている。各自治体では、医療機関などと連携した接種体制の構築に努めており、奄美市では14日に集団接種会場となる「奄美文化センター(奄美ワクチンセンター、19日開設予定)」で、接種手順などを確認するシミュレーションを実施する。市のワクチン接種推進室は「接種希望者が安心して受けられるよう万全を期したい」としている。

 大和村は高齢化率約40%と高いことなどから、県が先進的な取り組み事例として、優先的にワクチンを配分、県内でもいち早く接種が開始されることになった。ファイザー社製のワクチン1箱(975回分)が10日、同村に到着、12日は特別養護老人ホーム「大和の園」の入所者を対象に行い、その他の高齢者については16~18日の3日間、村体育館で集団接種を行う。集落ごとに実施予定日が決められており、送迎用のマイクロバスも運行する。

 奄美群島で最も対象者が多い奄美市と龍郷町は5月3日から、奄美市の奄美ワクチンセンターでの集団接種を開始する予定。奄美市の対象者は約1万3000人で、うちワクチン確保のめどが立っている4760人(龍郷町を含む)分について、ワクチンセンターのほか、太陽が丘総合体育館、りゅうがく館、奄美体験交流館、笠利農村環境改善センターでの巡回接種も含め、6月13日までに2回の接種を完了することにしている。

 接種開始を前に同市は14日、接種会場となる奄美文化センターで、医療関係者や市職員などによるシミュレーションを行い、受付や問診、接種後の経過観察などの流れを確認する。当初は、一般市民も参加する予定だったが、市内で感染者が発生したことを受け、市職員と関係者のみに規模を縮小し実施することになった。

 ワクチン接種では、全国的に、接種した部分がはれたり、発熱や痛みなどの副反応の報告が多く寄せられていることなどから、接種後15~30分の待機時間を設定、アレルギー症状がないか経過観察も実施する。

 市は6月14日以降も高齢者向けの接種を計画しており、5月中にも詳細を広報する予定。ただ、ワクチンの供給時期や量などは不透明で、河野太郎行政・規制改革相も、5月10日以降のワクチンの配送について、自治体から要請されている数量が、国が見込んでいる数量を超えていることを明らかにしている。

 こうした状況に、市のワクチン接種推進室は「できるだけ早く接種できるよう、供給されることを前提に計画は立てるしかない」としている。