行楽日和も観光地の人まばら

ゴールデンウイーク本番も観光地の人出は例年よりまばらとなった(奄美市笠利町土盛海岸で、午後1時35分ごろ)

クラスター下でのGW
夏日、野外や海水浴人気

 ゴールデンウイーク本番となった1日、奄美大島では天候に恵まれる絶好の行楽日和となった。風はややあったものの、奄美地方南部・北部すべてで25度を超える夏日を観測。観光地の人出は例年よりまばらだったものの、海岸では海水浴やマリンレジャーに興じる観光客の姿も見られた。

奄美市笠利町の土盛海岸では、大阪府から家族4人で旅行に来た古賀栄二さん(42)が息子の宏樹くん(6)と海水浴を楽しんでいた。家族はPCR検査で体調を確かめて来島。だが「万が一にならないよう受けてきたが、こっちがクラスターと聞いて驚いた」。急きょ出かけるのを取り止め海水浴に切り替えたが「海はきれいだし眺めているだけでも癒される」と喜んでいた。

 同町のあやまる岬観光公園では、一部で閉鎖措置が取られていたものの、公園内にあるカフェが営業。密を避けてテーブルを外に移動し、感染対策を施し運営。管理者の深田小次郎さんによると「GW一番の人出だが、それでも例年と比べると半分くらい。7割程度が観光客かな」。この日も問い合わせは多く「人が込み合うのも困る。スタッフと相談しながら営業するかどうかを決めていきたい」など話した。

 また同公園を訪れた、大阪市の3人家族は26年ぶりの墓参りで帰郷。同町用出身の47歳男性は「娘にも一度、故郷をみせておきたくて」と集落付近や景勝地を散策。50年前の写真を手掛かりに思い出の場所を訪れたり、偶然にも集落の人とふれあうなど「来てよかった」と楽しんでいた。

 一方、コロナ禍での来島を気づかう観光客の姿も少なからず見られた。龍郷町の倉崎海岸では千葉県から来た夫婦が「誰とも会わないツアー」と題し釣りを満喫。食事はコンビニで済ませ、常にレンタカーで移動。51歳男性は「釣り好きは海を見ているだけで楽しい」。ご当地グルメには「バクダンおにぎりも食べられたし」と満足した様子で話した。

 奄美市住用町では関東からカップルが来島。2週間前からの検温、PCR検査で確認の上で観光。宿泊はキャンプ場にテントを張った。「島民との接触を極力避けるため、もともとアクティビティなどは利用しない予定だった」。だがクラスターの発生で共同浴場などは閉鎖。「まさか奄美で起きているとは知らなかった」など驚いた。

 気象庁によるとこの日、奄美地方8の観測地点全てで25度を超える夏日を観測。奄美市名瀬で29・1度、与論島で27・6度など、6月上旬~下旬並みの気温となり、全ての地点で今年最高を記録した。

 8日までの1週間の天気予報は、2・3日は高気圧に覆われ晴れる見込み。5日以降は前線や湿った空気の影響で、曇りや雨の日が多くなるとしている。