【鹿児島】鹿児島県は7日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長・塩田康一知事=写真=)を開き、県が定める感染拡大の警戒基準を「感染者急増」のステージ3への引き上げを決めた。23日まで「感染拡大警報」を発令し、感染者の多い鹿児島市、霧島市、奄美市、和泊町、知名町の3市2町の飲食店には午後9時までの営業時間短縮の協力要請を実施すると発表した。
県内では5月1日に1日の感染者数としては過去最多となる60人の感染が確認され、以後も40人以上の感染が続いている。5日時点の最大確保病床の占有率が35・1%、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数18・48人となるなど、判断指標9項目のうち6項目でステージ3の基準を上回っている。入院患者の年齢構成は、前回警報が発令された1月20日時点は60代以上の高齢者が72%だったが、直近の4月30日時点では50代以下で60%と若い世代の占める割合が高くなっている。変異株の感染も20代から50代の世代で多くみられている。
4月28日から5月4日までの感染者263人のうち、接待を伴う飲食店など飲食関係の場所での感染者が139人と半数以上を占める。このため県は、クラスターが発生するなど感染者増が著しい3市2町の飲食店に対して、5月10日から23日まで2週間、営業時間を午後9時まで、酒類の提供は午前11時から午後8時までとする時短要請を実施する。
要請に応じた事業者には協力金が支払われる。中小企業は売上高に応じて1店舗当たり35―105万円、大企業は1店舗当たり上限280万円を予定している。申請の開始時期や窓口は後日発表される。
この他の感染拡大防止策として、県民の不要不急の県外への往来、感染拡大地域から県内への来県自粛を呼び掛けている。塩田知事は「いつどこで自分が感染するかもしれない、無症状のまま周囲にうつしてしまうかもしれないという状況になってきている。これ以上の感染拡大を防ぐために極めて重要な局面」と県民に対する感染防止策への協力を呼び掛けていた。