大島、快勝で2季連続の4強へ

【準々決勝・大島―川内】2回裏川内一死満塁、4番・西田が左前適時打を放ち3点目=平和リース

 

川内に5回コールド
11日、樟南と対戦

 

 【鹿児島】第149回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第12日は9日、鹿児島市の平和リース球場で準々決勝2試合があった。

 奄美勢の大島が川内と対戦。投打ががっちりかみ合い、13―0の五回コールド勝ちで春に続く2季連続の4強入りを決めた。

 10日は休養日。第13日は11日、同球場で準決勝2試合がある。大島は樟南と対戦する。

 試合結果は次の通り。
 =平和リース球場=
◇準々決勝第1試合
川内 00000 0
大島 2524× 13
  (5回コールド)
【川】猪之鼻、高原―有村
【大】大野―西田
▽三塁打 有馬(大)▽二塁打 前山(大)     
(川)17206110014
   打安点振球犠盗併失残
(大)188931112015

【評】大島は初回、5番・中の左前適時打で2点を先取。二回は一死から3連続四球で満塁とし、4番・西田の左前適時打、重盗、6番・前山の左翼線二塁打などつながりのある攻撃で打者一巡し4点を加えた。三回にも相手のミスで2点を加え、四回には満塁から1番・有馬の走者一掃中越え三塁打、犠飛で4点をダメ押し。8安打13得点と効率の良い攻めが目立った。エース大野は散発2安打、毎回の6奪三振の好投で、相手打線に三塁を踏ませなかった。

 

行動の速さが生む余裕
大島 投打がっちりかみ合う

【準々決勝・大島―川内】1回裏大島一死満塁、5番・中の左前適時打で三走に続いて二走・武田(右)が生還、2点を先取=平和リース

 

 投打ががっちりとかみ合い、今大会初のコールド勝ちで2季連続の4強入りを決めた。

 四死球でたまった走者を打って返す。8安打で13得点、5残塁と効率の良い攻めができたのも「練習でやってきた成果」と塗木哲哉監督。ストライクゾーンに来たボールを打ち返し、ボール球、中でも膝から下のボールには手を出さない。「打撃の基本」(塗木監督)を徹底できた。

 「この5日間で相手投手のビデオをじっくり見て、変化球が多いことやどういうコースに来るか、頭に入れて打席に立った」と4番・西田心太朗は言う。二回は3連続四球で制球に苦しむ相手投手に対して、変化球で来ると読み切って左前に弾き返した。

 試合開始直前のベンチ前整列、審判の合図で駆け出し、礼…1つ1つの行動が今までよりも速く、整っているように思えた。そういった部分の判断や行動の遅さがこれまでこのチームの課題だった。「日常生活から意識していること」(武田涼雅主将)が、勝ち上がっていくにつれて身につきつつある。

 「行動の速さは思考の速さにつながる」と塗木監督。守備でも打撃でも、行動を速くすることで次の準備をする余裕が生まれ、プレーにも幅ができる。初回、二走の武田は、5番・中の浅い飛球が左前に落ちると確信して、素早くスタートして迷わず生還した。バックホーム狙いで内野が前進守備を敷いていたから、確実に落ちると判断した。二回二死一三塁の重盗の場面では、捕手の二塁送球と同時にスタートを切った。「相手の捕手が自信を持って二塁送球していた。こちらを見ないで二塁に投げたからいけると思った」。スライディングの必要なく余裕で4点目のホームを踏んだ。

 行動や判断の速さは「まだ言われてやっている初歩の段階」と塗木監督の評価は厳しい。「競った展開や、もっと力のあるチームが相手でもできるようになる」ことを求めている。準決勝の相手は樟南。投打だけでなく、そういった部分も含めた「総合力」が試される一戦になるだろう。
                              (政純一郎)