JAタンカン品質調査結果

平均糖度11・56度と良好な仕上がりが確認されたタンカンの品質調査

平均糖度11・56度まで上昇
仕上がり良好「樹上選果・摘果の徹底を」

JAあまみ大島事業本部は12日、今年度最後となるタンカンの品質調査を奄美市名瀬朝戸の奄美大島選果場で行った。平均糖度11・56度、クエン酸1・12%となり、糖度は11度を大きく超え、過去2年間の1月状況の10度台から伸びた。良好な仕上がりとなっている中、関係機関は2月の流通に向けて「樹上選果・摘果の徹底」を求めている。

奄美の果樹農業の柱であるタンカンの品質調査は昨年10月から毎月1回実施。最後の品質調査には奄美大島の各地区から125点の果実が持ち込まれ、県や市町村などの担当職員で構成する県園芸振興協議会果樹部会が担当した。

品質調査では果実の大きさ(横径)測定後、切断し果汁をしぼり出し、専用の機器で糖と酸を測定。算出されたデータは光センサー選別の選果ベースとして活用される。今回(2022年1月平均)の調査結果を過去2年間と比較すると、21年(1月平均)糖10・43度、酸1・09%、20年(同)糖10・42度、酸1・22%のいずれよりも糖度が高く、11度台の中~後半まで伸びていた。着色面はタンカン特有の紅乗りがまだ十分ではないが、品質はすでに選果条件に達している。

大島事業本部果樹技術指導員の大山綱治さんは「昨年の11月までは気温が高かったが、12月に入り気温が低下したことで酸切れが進み、品質は例年通りまで持ち直した。1月に入りこのところの寒によってさらに品質が上昇している。選果料無料化の対象とならない規格外品や小玉を選果場に持ち込まないためにも収穫前日まで樹上選果・摘果に取り組んでいただきたい。果実の外観面は着色に注意し、熟期に合わせて収穫を」と呼びかける。外観阻害要因では「裂皮(薄い皮がめくれたような状態)」があるが、軽くで済んでいるという。

収穫適期は2月1日以降だが、下場にある果樹園の中には今月下旬に収穫できるところもある。ただし予措(収穫後4日~1週間貯蔵)が必要なため、流通するのは2月に入ってからになる。倉庫で予措する場合、風を通さず閉め切った上で乾燥しないよう、コンクリートの床に打ち水をするなどして湿度を確保することが大切としている。