「宮古崎トンネル」3月27日開通

3月27日開通が発表された奄美市名瀬根瀬部と大和村国直を結ぶ「宮古崎トンネル」

奄美大島での時短要請「一定の効果」
知事定例会見

 塩田康一知事の定例記者会見が21日あり、県が奄美市名瀬根瀬部と大和村国直間で整備を進めている主要地方道(県道)名瀬瀬戸内線「宮古崎トンネル」(延長約2・3㌔)が3月27日に開通すると発表した。新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大で奄美大島5市町村に県独自の緊急事態宣言が発令され、11日から飲食店への営業時間短縮要請が行われているが、新規感染者数が減少傾向にあることから知事は「徐々に落ち着きつつあり、一定の効果があったのではないか」との認識を示した。

 発表によると、根瀬部国直工区は、災害に強い安心・安全な道路としての機能確保を図るため、トンネルを含むバイパス事業として2014年度から整備が進められた。バイパスを含む延長は約2・9㌔、総事業費は約80億円。開通による効果として現道の急峻な峠越え(延長5・2㌔、標高160㍍)が解消され、距離で約2・3㌔、自動車の移動時間で約5分短縮が図られる。知事は「開通による利便性向上で観光振興、地域活性化に大きく役立つ」と述べた。

 県内の新型コロナ感染状況は新規感染者急増で「第6波」に突入、病床使用率は3割近くに達している。政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請する自治体が20日時点で10道府県に拡大、九州では方針・検討を含めると鹿児島以外の各県がまん延防止の適用を受ける見通し。

 鹿児島県への適用要請について知事は「一番重要な医療提供体制のうち病床使用率がレベル2(20%以上)、レベル3(50%以上)の間に現在はあり、3~4割あたりが適用の目安と考えている」と述べ、ここ数日の病床使用率などの状況を見極めた上で申請を判断するとした。県内に567あるコロナ病床の使用率は19日時点で29・1%。

 保健所業務(疫学調査、健康観察)への影響については「今回(オミクロン株)は感染のスピードが非常に早く保健所業務は、特に鹿児島市が大変な状況にあり、県も応援職員の派遣準備をしている」と説明するとともに、「これ以上爆発的に感染者が増えると疫学調査が難しい局面も出てくるが、今のところは(業務が)回っている」。

 また、知事は奄美大島の飲食店への時短要請効果について「新規感染者数が当初50~60人と推移していたが、40~30人へ、最近は20人くらいと徐々に落ち着きつつある」と述べ、一定の効果を挙げた。