奄美産食品を世界へ

テープカットで新工場完成を祝う関係者ら

市内初HACCP対応 新工場完成でセレモニー
グリーンストア

 ㈱グリーンストアが整備を進める市内初の国際的な衛生管理基準HACCP(ハサップ)認証の惣菜・食品加工新拠点「トマト食品工場」が26日、操業を始める。これに先立ち24日、奄美市名瀬金久町の同工場で完成を祝うセレモニーを実施。海外展開も視野に入れる同社代表取締役副社長の里葉子さんは「奄美の食材・郷土料理を多くの人に知ってほしい。この文化を残しながら日本、世界へ届けていきたい」と意気込みを話した。

 旧工場の老朽化に伴い新たに整備。昨年10月に奄美市と結んだ立地協定の一環で、県の「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業」を活用した。

 新工場はベトナムへの輸出拡大、アメリカへの販路拡大が目的。整備費は約2億7500万円。16年に取得した鉄筋コンクリート4階建てビル(建物面積324平方㍍)の1・2階を改修し、新たにHACCPを取得したほか、急速冷却庫、殺菌室、陽圧空調機なども導入した。

 工場では、店舗で販売する惣菜のほか、黒糖菓子や地元産食肉、冷凍マグロや冷凍タンカンなど、地元食材を使った菓子や郷土料理の製造を予定。奄美産食品の輸出や販路拡大、地域の活性化や雇用創出などが期待されている。

 セレモニーでは、自治体や納入業者など関係者約20人が出席しテープカットで完成を祝福。印南百合子大島支庁長(代読)、安田壮平奄美市長(代読)が「メイドイン奄美を世界に発信し、地域の経済発展に寄与することを願う」など、祝いの言葉を送った。

 今後は食品安全規格の国際認証FSSCも取得予定。里さんは「安全安心、誠実に食を届けていくのが私たちの仕事。これからも奄美の台所として頑張っていきたい」と話した。

 同社は1985年創業。市内にスーパー5店舗を運営し、2018年からは移動販売や高齢者見守りなども展開。新工場初年度の生産計画は3億3600万円を見込んでいる。