台風11号 東シナ海を北上

台風11号の影響で道路まで押し寄せる波(3日午前11時15分ごろ、和泊町の和泊港)

奄美全域が強風域に
突風、土砂災害警戒 海・空の便欠航相次ぐ

 大型で強い台風11号は3日午後3時現在、石垣島の南東約80㌔にあり、時速15㌔の速さで北に進んでいる。台風は今後、発達しながら東シナ海を北上、奄美地方が暴風域に入る確率は低いが、4日には全域が強風域に入る見込み。和泊町の和泊港では3日午前、高波が防波堤を超え道路まで押し寄せるなど、海上は大しけの状態で、県本土と奄美の各離島を結ぶ海、空の便ともに欠航が相次いだ。

 台風11号の3日午後3時現在の中心の気圧は955ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は40㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心の東側150㌔、西側110㌔以内では風速25㍍以上の暴風となっている。また、南東側650㌔、北西側560㌔で風速15㍍以上の強風域となっている。

 台風は今後、発達しながら東シナ海を非常に強い勢力で北へ進む見込み。このまま予報円の中心を通った場合、4日午後には宮古島の北北西約250㌔の海上に達する。台風は5日にかけて東シナ海を北上し、次第に進路を東寄りに変えて6日には九州に接近するおそれがある。

 奄美地方は暴風域に入らない見込みだが、今後の動向には警戒が必要。名瀬測候所は、うねりを伴う高波への警戒と、強風や土砂災害、河川の増水、雷、突風などへの注意を呼び掛けている。

 奄美地方で予想される波の高さは、4日が南部・北部ともに7㍍。海上はうねりを伴う猛烈なしけが予想される。最大風速は16~18㍍の強風、1時間最大30㍉以上の雷を伴う激しい雨も予想されている。名瀬測候所は土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に警戒するよう呼び掛けている。

 この台風の影響で空の便では、離島間を結ぶ便を中心に欠航が相次いだ。奄美空港発着便では、奄美―福岡と沖縄―奄美が各1便、奄美―鹿児島が往復3便、奄美―喜界が往復全4便、奄美―徳之島が往復3便、奄美―与論が往復全2便の計13便が欠航。このほか鹿児島と喜界、徳之島、沖永良部、与論を結ぶ計19便が欠航、各離島間を結ぶ便もほとんどが欠航となった。

 また、海の便もすべて欠航した。瀬戸内町営定期船せとなみ、同町営フェリーかけろまが全便欠航。鹿児島と奄美群島、沖縄を結ぶフェリーもすべて欠航となっており、運航の目途は立っていない。