貨物船は10日発で臨時運航

奄美市名瀬の佐大熊港に寄港した貨物船。台風による影響を考慮し臨時運航も打ち出している

台風影響 定期船運航10日にも決定

迷走台風により奄美・沖縄航路など鹿児島本土と奄美の島々、沖縄とを結ぶ航路の定期船は長期欠航が続いたが、8日に発生した台風12号は沖縄地方に接近後、今回も東シナ海を北上すると予想されている。各船舶会社は10日にも下り・上り便の今後の運航を決定する見通しだ。

奄美・沖縄航路を運航するマルエーフェリーは2隻のうち現在「フェリー波之上」がドック入り中。「フェリーあけぼの」のみで運航しており、9日鹿児島発の下り便は10日に寄港する与論は、寄港できない場合もある条件付運航で出港。11日那覇発の上り便について台風の影響により欠航を判断するかは10日以降になるという。

同様に同航路を運航するマリックスラインは「クイーンコーラルクロス」を10日鹿児島発で出港、下り便は11日に奄美各島に寄港予定。台風の影響で奄美の海上はうねりの予報もあり、予定通り運航するか「10日午前中に最終決定する」(旅客営業部)。

定期船運航にあたり両社では、安全管理規定に基づき気象条件などから運航の可否を判断。航行中に風速25㍍以上、波高5㍍以上などに遭遇する可能性がある場合は運航中止(欠航)を判断している。

喜界航路を運航する奄美海運は9日鹿児島発、10日喜界などに寄港する下り便では平土野港(徳之島)を条件付で運航。以降の下り・上り便運航はまだ決まっていないという。

鹿児島市の谷山港発で奄美の各島々に寄港する貨物船を2隻体制で日曜を除き運航する共同組海運。10日発(11日下り)はメンテナンスの関係で欠航を予定していたが、「台風が近づくことから月曜日以降の来週の運航への影響を考慮、臨時的に10日発も出港させることになった。佐大熊港など各島の港には11日に寄港する。物資の運送で利用を呼び掛けたい。ただし一部で寄港できない所も出るなど条件付運航になる」と説明する。

本土と奄美を結ぶ定期船が欠航すると生鮮食料品などが入荷できず、スーパーなど小売店は品ぞろえが十分にできない。離島民の生活に直結するだけに、定期船や貨物船の運航を注視しながら食料品の確保や備蓄が求められそうだ。