県貿易協会・海外展開セミナー

企業や行政14人が参加した「海外展開チャレンジセミナーin奄美」

海外進出、新たな武器に
商談スキルや越境ECなど
奄美黒糖焼酎「売れる可能性高い」

県貿易協会は7日、海外への事業展開を支援する「海外展開チャレンジセミナーin奄美」を奄美市名瀬の市民交流センターで開いた。製造業や小売業、行政の参加者14人は、海外市場への進出を新たな武器にしようと、貿易の実務や商談スキル、越境ECなどについて学んだ。

県によると2021年度の県産農林水産物の輸出額は、前年度比45%増の311億円。越境ECの顕著な伸びや米国外食産業の回復を主な要因と見ており、県商工労働水産部販路拡大・輸出促進課の永井伸也課長は「人口減少や高齢化社会など日本国内の需要は縮小が予想される。これからはますます輸出への取り組みが重要になる」とあいさつした。

セミナーでは5講演が実施。県貿易協会とJETRO鹿児島貿易情報センターが自社の取り組みや支援サービスを紹介し、弓場貿易㈱の弓場秋信代表取締役はコロナ禍の輸出拡大法として、▽原料から加工品への付加価値創出(保管性)▽流通のマッチング▽ブランド確立―などの重要性を説き、「アルコールやウイスキーが伸びている。奄美黒糖焼酎も売れる可能性は高い」などと訴えた。

輸出商談のスキルアップに向けては、同情報センターの貿易アドバイザー・廣松慶宣さんが、英文名刺やPR資料など「商談会5点セット」について解説。「商談会時間は平均40分と時間も限られる。思いを凝縮して伝えるためには準備がすべてだ」とアドバイスした。

シンガポール発、東南アジア・台湾最大のECモール「Shopee・Japan」のアシスタントマネージャの安井裕太郎さんは、越境ECについて「始めやすい」「テストができる」といったメリットを説明。「海外に在庫を置く必要がなく、ほぼノーリスクで販路を拡大できるチャンス。サポートも充実しており小規模事業者でもできる。一度試してみては」と呼び掛けた。

講演後は、個別の相談会も実施した。