三太郎線試行ルール

グループに分かれて「三太郎線の将来像」について意見が交わされた

 

繁忙期に大幅な混雑緩和
1年間の運用状況報告 継続的な周知課題

 

 奄美市住用町の市道三太郎線周辺における夜間利用ルールの運用状況報告会が18日、同町住用公民館であった。同線夜間利用適正化連絡会議事務局は、ナイトツアーの混雑緩和のために車両規制試行を開始(昨年10月)後、1年間のモニタリング結果を報告した。繁忙期の同線利用車両数は試行運用前から45%減少し「混雑の緩和につながった」とした一方、「島内利用者の未予約への対策」と「継続的なルールの周知」を課題に挙げた。

 同線は希少な野生生物の夜間観察ツアーの人気コースの一つ。環境省など官民で構成する同適正化連絡会議が2021年10月から車両規制などの夜間ルールを試行している。

 試行運用から1年間の同線総利用台数は3883台(うち未予約472台)。最多月だった今年3月の461台(未予約57台)は、運用前の昨年最多8月の831台より45%減少した。また未予約車両472台のうち、島内利用者が約70%を占めた。

 主な成果として、▽混雑緩和により利用者の満足度が高まった▽観察ルールもおおむね守られていた▽島内の認知度は高い―などを挙げ、課題として▽更なる未予約者への対策▽島外利用者への継続的な周知―などを示した。

 報告会終了後には、三太郎線の目指す将来像や必要な取り組みについて意見交換が行われた。「増加する野生生物の交通事故問題は、立ち回りでの対策も必要」と危機感を話す地元ガイドや、「100年後も変わらない三太郎線の自然を残すべき」などの意見が交わされた。

 事務局は今後のスケジュールとして、新ルール(地元枠設定など)の年末年始の追加実証実験、2月に結果の報告会、3月にルール修正を検討する連絡会議を予定している。