大和村「おさかな祭り」でアサヒガニを購入する客(19日=奄美漁協大和支所)
アサヒガニ・エビ汁に長い列
大和村津名久の奄美漁協大和支所前で19日、エビ汁などを販売する「おさかな祭り」があった。奄美大島島内でも珍しいアサヒガニを使った汁を目当てに、村内外から多くの人が訪れた。開始予定は午前11時だったが、8時頃から並ぶ人もおり、多くの人でにぎわった。
2021年夏以来2度目、同村のまほろばやまと漁業集落(郁武久代表)主催。20代の漁業者が中心となり、「魚食を推進したい」との思いで開催した。
協力した村産業振興課の水産物加工グループ「いしょむん海」が販売したトビイカ(通称バカイカ)の一夜干しは、10㌔分が30分ほどで完売した。
アサヒガニ45㌔分を生きたまま水槽に準備した勝山水産の販売所では、まとめ買いする人が相次いだ。店頭に並べたチビキやレンコダイを求める人も多く約1時間で売り切れた。
イュン汁(魚)、エビ汁、アサヒガニ汁に並ぶ人の列は昼頃まで続き、器のまま持ち帰る人も見られた。
奄美市名瀬から訪れた田畑ひとみさん(70)は「アサヒガニの汁は珍しい。おいしい」と満足そうに話し、トビイカやアサヒガニを袋いっぱい買い求めていた。
勝山水産の勝山仁太さん(30)は「シケで朝収穫の魚が並べられなかったのは残念だが、多くの人が来てくれ満足」と手応えを感じたようだった。
同村産業振興課の高梨七海さん(25)は「新鮮な刺し身を提供しようと、午前2時頃から出港の準備をしてくれた漁業者がいた。次の開催には万全を尽くしたい」と話した。