研究発表が行われた「聖隷福祉事業団奄美ブロック学会」(28日、アマホームPLAZA)
奄美佳南園50周年記念「社会福祉法人聖隷福祉事業団奄美ブロック福祉学会」が28日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。同事業団が運営する3事業所7組(職場単位)が、在宅ケア利用者の不安解消、小児口腔発達学に基づく幼児の食事方法など多岐にわたる研究発表を行った。
同事業団奄美ブロックは、奄美佳南園(特別養護老人ホームなど)、聖隷かがやき(児童発達支援センター)、のぞみ園(同)、春日保育園で構成。毎年、職場単位での業務改善や取り組みについて研究発表を行っている。
奄美佳南園在宅介護支援センターの久保優(すぐる)さんと恵島真奈美さんは、歩行障害のある独居男性の日常生活への不安の対処と課題を発表。つえ歩行のため室内での転倒リスクがあり、住宅改修を進めたと報告。その上で、当事者の意向をくみ取ることに苦心したといい、「相談援助技術」の向上と信頼関係の構築が求められると結論づけた。
同園従来型3階(要介護3以上が入居条件)の山下光流(みつる)さんと加納政廣さんは「看取りケア」の事例を報告。3人体制による入浴によって酸素飽和濃度の数値が安定したことや、コロナ禍で家族との面会を実現することで満足度の向上につながったとした。
春日保育園の近藤美香さんと柳百合香さんは、小児歯科(口腔発達学)の観点から、機能を高める「食べるための口作り」の取り組みを発表。昔ながらの遊び(しゃぼん玉、紙風船、吹き戻し)の中に、発達を育む効果があると考察した。 自然な排便を促す腹部マッサージ、親子のコミュニケーションを深める「親子教室」の効果などの発表もあった。
一般の聴講者からは「各施設でさまざまな取り組みがあることを初めて知った。今後も学びを深めてほしい」と評価する声が聞かれた。