デジタル体験で世代間交流

VRゴーグルでの「南極大陸」疑似体験(上)や太鼓ゲームで異世代交流も=15日、天城町

 

 

 

VRや「eスポーツ」普及へ
天城町、県事業を活用

 

 

 【徳之島】県事業を活用した天城町「結(ゆ)いさわやかくらす(eスポーツ)体験交流会」(町長寿子育て課・社会教育課主催)が15日、町防災センターであった。幼児から上は90歳までの幅広い世代が参加。VR(仮想現実)の世界やデジタルスポーツゲームなど初体験を通して和やかに交流。町内全集落で開催、普及するという。

 県の「世代間交流で人生100年生きがい創出事業」を活用。高齢者の社会参加や生きがい・健康づくりなど促進のためデジタル技術を活用した世代間交流の活性化。そのための「eスポーツ」(コンピュータやビデオゲームなどを使った競技)を体験できる環境の整備、高齢者のデジタルデバイド(情報格差)の解消、世代を超えた交流を図るもの。

 町では「WakuWakue交流推進事業」としてゲーミングパソコンとVRゴーグルを各6台、大手ゲームメーカーのソフトやコントローラ―なども整備(総事業費180万円、県3分の2補助)。大島地区では宇検村と大和村も初導入しという。

 天城町の同交流会には、町生涯学習講座「結いさわやかくらす」(元・中央女性学級と高齢者学級を統合)受講者と天城子ども会の青少年ら計45人。県や町当局、機材操作サポーターなど含め約75人が来場。太鼓ゲームやVRゴーグル体験にアナログのモルックスポーツ体験も交え、3班編成で巡回しながら和やかに体験・交流した。

 VRゴーグルで「南極大陸の雪原やテントの中」を疑似体験した田川忠良さん(86)=浅間=は「すごい、もっと見たいと思った。私の場合はスキーの経験はあるが、高齢者たちは今まで生きてきた中でさまざまなことを経験しており感じ方も違うと思う」。天城中1年生の牧英虎(ひでとら)君は「これまで高齢者の方々と話したりする機会はなかった。こうしたゲームなどを通して交流できることはいいことだ」と話した。

 同町は国のデジタル庁創設(2021年9月1日)にも呼応して独自の「デジタルの日」イベントも開催(今年第3回を予定)。同趣旨にも絡めて今後、町内全14集落(各自治公民館単位)で同交流推進事業を展開していくという。