「奄美を描く展」始まる

奄美ならではの作品を楽しむ来場者

島の魅力多彩に60点 一村美術館

 第24回奄美を描く美術展(同実行委員会主催)が11日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で始まった。全国から集まった入賞・入選作60点を展示。奄美の自然や動植物、行事を描いた島ならではの魅力あふれる力作が来場者を魅了している。11月9日まで。

 奄美をテーマに描く公募展。今年は全国の15~85歳から136点の応募があり、審査委員長は武蔵野大学名誉教授の池田良二さんが務めた。

 展示は、島の伝統行事の舟こぎの様子を透明感あるタッチで描いて大賞に輝いた作田浩二さん(奄美市名瀬)の水彩画「あと少し」をはじめ、入賞作10点、入選作50点を展示。油絵や日本画、ペン画のほか、火山灰やキルトで描いた作品もあり、多彩な表現が目を引いている。

 仲間4人で愛知県から来たという68歳男性は「4人全員の好みが分かれるほど多彩。南の島らしく個性豊か。愛知とは違う感性が楽しめた」と話していた。

 同館の上原直哉学芸専門員は「近年で最も出品数が多く、審査でもこれまでにない多様な表現の作品が選ばれた」と強調。「モチーフから受けた印象が的確に作品に表れている。見に来て(絵に)挑戦しようという刺激にしてほしい」と呼び掛けていた。

 開館時間は午前9時~午後6時で、入場無料。25日午後2時からは授賞式や受賞者によるギャラリートークも予定している。