オープン1カ月で2万1千人来場

開館から1カ月で延べ2万1千人が来場した奄美大島世界遺産センター(24日、奄美市住用町)

自然を「体験」、保全を「学ぶ」
9月からは「奄美の秋」を演出
奄美大島世界遺産センター

 世界自然遺産登録から1周年目にあたる7月26日にオープンした「奄美大島世界遺産センター」(奄美市住用町)が8月25日までの1カ月間の来場者数が、延べ2万1227人になることが分かった(25日は休館日のため未集計)。子どもたちの夏休み期間中にオープンした同センターに、連日家族連れを中心に大勢の利用客が訪れており、7月31日には最多の延べ1395人が来場。今後、持続可能な環境・社会づくりに向けたイベントの開催や出前授業なども予定しており、環境保全の情報発信拠点として、期待が高まる。

 同センターは、世界自然遺産登録に関する情報発信、環境保全の普及啓発などを目的に、道の駅「黒潮の森マングローブパーク」の敷地内に開設。展示室には、森を中心に渓流、マングローブ林など体験できる構成で、奄美の動植物135種類の模型・剥製などを設置。一日の変化を、15分ごとに大画面の映像と音響を切り替えて演出するなど、奄美の森と生き物たちを、体感・観察できる内容となっている。

 また、展示室横の「ホワイエ」(ロビー)では、「未舗装の道には入らない」などと書かれた「奄美の森を楽しむ10のマナー」や、「環境文化」に関する説明などが書かれたパネルを掲示。奄美の自然体験とともに保全管理の重要性が学べる。

 24日、母親の前田都貴子さん(45)と来場した、息子の海梛大=かなた=君(7)=大阪府=は、「大好きなルリカケスを初めて見た」と笑顔。そして、「世界遺産センターのような場所で、プラスチックごみを材料として生かせれば」と自然保護のアイデアを話した。

 同日来場した龍郷町に住む鈴木常次さん(48)、真紀子さん(47)の息子・幸太朗君(8)は「カニや木など初めて見るものがたくさんあった。面白かった」と感想を述べた。

 9月1日以降、展示室内の森の一日の演出は、現在の「夏」仕様から「秋」仕様に変更予定。また、約20人以上の団体で来場する際は、事前に連絡するよう協力を求めている。

 問い合わせは、同センター電話0997―69―2281まで。