多世代交流可能な施設へ

子育て・健康・福祉の多世代交流が可能な複合施設の機能について議論を交わしたシンポジウム

意見集約めざし新施設の未来像議論
奄美市

 奄美市の中心市街地活性化基本計画の中核施設の一つとして、同市名瀬港町に建設を計画している「奄美市子育て・健康・福祉複合施設(仮称)」の整備に向け、市民の意見を集約するシンポジウムが11日、同市名瀬のAiAiひろばであった。保健師や子育て中の母親、高齢者など5人のパネラーがそれぞれの立場から、多世代交流ができる複合施設の未来像について意見を交わした。

 同複合施設は現在の保健センターや老人福祉会館、名瀬港町の児童館を統合した施設。子育て中の親子や小中高校生、高齢者、障がい者など全ての人が多世代交流をすることで、子育ての不安解消や高齢者や障がい者の生きがい、世代を超えた文化や知恵の継承などの効果を見据えている。同施設の基本構想、基本計画を今年度中に策定する方針で、今回は市民からの意見反映を目的に開催した。

 既存施設における課題解決の一つとして、保健師の福永明子さんは「広々とした駐車場を確保することが必要」と指摘。建設予定地に隣接する形でバスセンターの建設が予定されていることから、嘉川優子さんは周遊バスを活用した利用促進策を提案した。

 助産師として産後ケアなどを行っている藤真理子さんは、子育て中の母親の仲間づくりとしての場所の提供を要望。高齢者の立場から田島辰徳さんは「施設と心のバリアフリーがあれば、高齢者に優しい施設になる」と述べ、高齢者による読み聞かせや紙芝居などによる多世代交流策を提言した。

 3人の子どもと寝たきりの親の介護の「ダブルケア」をしている成田小百合さんは、「誰でも利用しやすい施設にすることで外出の機会が増え、行動を広げるチャンスになる」と強調。施設機能の要望では、「図書館機能」「運動スペースの確保」「調理室」などがあった。

 同市は基本構想、基本計画委員会を立ち上げており、来年1月に第2回会合を開催予定。年度内の計4回の会合を経て、基本構想、基本計画を策定する方針。