「昔の遊び・食体験」に感嘆

「とうがんトロフィー」目指し、大いに盛り上がった「なんこう」ゲーム=17日、天城町当部公民館

ジビエ料理なども交え昔の食体験にチャレンジした子どもたち

子どもたち対象に集落イベント第2弾
天城町当部

【徳之島】「食と遊びで昔の暮らしにタイムスリップ」―。天城町当部=とうべ=集落(武田幸夫区長、31世帯54人)主催の「昔の遊び&食体験会in当部」が17日、兼久小校区の子どもたちを対象に同公民館であった。デジタル・バーチャルゲーム世代の子どもたちが、身近な自然の恵みを創意工夫した昔の遊びや素朴な昔の食作りと試食を体験した。

当部集落は徳之島のほぼ中央部に位置し、庭先には時折、アマミノクロウサギさえも出没するという環境。森にはオキナワウラジロガシやシイ、タブなどの大木がどっしりと根を張る。20年前からは、この稀有な自然環境を地域おこしに活用した限界集落からの脱却、地域振興への「癒しの里づくり」を推進している。今回の「昔の遊び・食体験」は、大好評だった「自然観察会」(7月2日、約100人参加)に続く今年度第2弾の集落イベント。

公民館(分校跡)での体験会には、児童や保護者、指南役の住民など約70人が参加した。武田区長(71)は子どもたちに「高齢化の進行でまさに限界集落に等しい状態。でも最近は、当部の自然の素晴らしさからクロウサギ観察小屋や公園なども整備され、にぎやかになってきた。そして集落の全員で知恵を出し合って考えたのがこの計画です」とアピール。

前半の「遊びの部」では自然素材を生かした笹舟や風車づくり、「なんこう」やビー、輪ゴム遊びなどを体験。なんこうゲームの各部優勝者たちには、先生役の里山栄市さん(78)自らが育てた7、8㌔台のシブイ(とうがん)トロフィーを贈って驚嘆させた。

「昔の食づくり体験の部」では、「スーチキィウヮーシ(塩焼き豚肉)や「スティチバン(ソテツごはん)」、おやつの「インギュムィにぎり(はったい粉ごはん)などにも挑戦。昔ながらに「チバハ(ツワブキ葉)」に盛って、ハチジョウススキを箸代わりにした試食会でも交流した。

兼久小6年の上野桃葉さん(12)は「風車などは難しかったが達成感があった。自然の材料を工夫するなど、昔の人は知恵がいっぱいあったと思う」と目を輝かせていた。