合同面接会の参加企業インタビュー

16日に奄美市内で開かれた合同企業面接会。大学生ら39人の求職者が参加した

地元企業、求めている人材は!?
人好き・明るい・あいさつ

 16日に奄美市名瀬であった合同企業面接会を取材した。会場にはスーツ姿で、やや緊張した面持ちの大学生らしき人も多くみられたが、これから地元企業を支え、島を盛り立ててくれる宝のような人たちだ。求職中の学生らに少しでも役立つ情報として、企業側がどういった人材を求め、面接の際は、どういうところに注目しているのか。記者も新卒になったつもりで、面接会に参加した企業の代表や人事担当者へインタビューしてみた。
(牧 一郎)

 【営業職】▽㈱ジーエスアイグループの増田豊代表取締役社長「地元の人たちが、地域の中で元気に働ける環境を提供していきたいという思いで、今回の面接会にも参加させていただいた。弊社は人と話をしないと成り立たない仕事なので、第一前提は『人好き』であること。人が好きで、人付き合いができる人です」

 ▽東京海上日動火災保険㈱代理店㈱あんしんライフの川﨑康平代表取締役「社内にはスポーツ少年団などを指導している人も多く、子育てなどもしっかりできるサポート体制を整えているつもり。そのように仕事だけでなく家庭や地域のことも大事にしてくれる人がいいですね。逆に言うと家庭を大事にする人は、きっと仕事も大事にしてくれるだろうと考えています」

 【福祉関係】▽障がい者入所施設・希望の星学園の森美樹夫副施設長「障がいを持った方々と接する仕事なので笑顔。はきはき。素直。そういう人であれば利用者はもちろん、一緒に働く私たちも元気になる。他のことは働きながら勉強してもらえると思います」

 ▽社会福祉法人聖隷福祉事業団「のぞみ園」の福﨑充所長「福祉の仕事なので『人好き』であること。また利用者のみなさんが中心となる職場なので、福祉の気持ちだったり、人生の先輩・目上の人に対する尊敬の念など、そういう思いが根底にある人に来ていただきたいと思っています」

 【その他(金融・酒造会社)】▽奄美大島信用金庫の作田幸太郎総務部長「私たちは地元企業なので、島の若い人たちを希望しています。業務自体はお客様との会話が大事なので、人とのコミュニケーションはしっかりした方が良いですね」

 ▽(資)弥生焼酎醸造所の川崎洋之常務「まずは明るくて、あいさつがしっかりできればいいかなと思っています。面接をしながら素直な印象も持てると、なおいいですね」

 では反対に面接段階で『採用を断りたくなる人』についても質問。人事担当者からは「極端に周囲と協調がとれないと感じられる人」、「口を開けば常に上司の悪口や文句ばかり。周りのモチベーションまで下げてしまいそうな人」、「あいさつができない人。礼儀は大事」など回答が返ってきた。

 一方、弥生焼酎の川崎常務は「面接段階から正直ではない人」との答え。「面接で話していると矛盾とか、おかしな点に気づくことがある。そこで『この人はウソをついている』と感じると、『仕事でミスをした際もごまかしたりするのかな。隠すのかな』と考えてしまう。それは会社にとっても、その人にとってもマイナスになる。背伸びしすぎない。正直さや素直さというのも大事だと思います」。

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 奄美の求人・転職WEBサイト「ジョブセンバ」を運営する「しーま」の深田小次郎代表は、地元企業が求める人材は主に二分化していると分析。「一つは専門性。介護など福祉等の分野は資格の有無も一つのポイント。IT関連の企業も『一から育てる』という会社もあるが、スキルを持つ人材はそれだけ重宝される。もう一つは、現在、奄美大島は観光客が増え、サービス業が盛んになってきているので、そこで求められる人材。『明るい』『きびきび』『元気』。そういうキーワードが企業側からも、多く聞こえてくる」と話していた。