新型コロナウイルス感染拡大防止のため、卒業生・保護者らが全員マスク姿での卒業式となった(12日、奄美市名瀬小宿中学校)
県内の多くの中学校で12日、卒業式が行われた。奄美群島内でも各地の学校で卒業式が開かれたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、規模縮小・時間短縮の上で実施。マスク姿が目立つ式となったが、卒業生らは3年間の思い出を胸に、高校生活への期待を膨らませた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための休校期間中であったことから各地で時間短縮・規模縮小のうえ開催。宇検村では卒業生がいる阿室中・田検中の卒業式を延期し、阿室中で17日、田検中で18日に開催する予定としている。
奄美市名瀬の小宿中学校(山口良二校長)では来賓と在校生の出席を見送り、式内容を短縮。卒業生の入退場を省略し、卒業証書授与では一人一人名前を呼んだものの、前の生徒に手渡す時間を利用し、次の生徒の呼名を行うなどした。このほか保護者にマスク着用を呼び掛けたほか、会場受付付近に消毒液を設置した。
山口校長は「本来ならば、多くの来賓や在校生に見送られながら、門出を祝うが、こうした形になってしまった。私自身心苦しいが、全校挙げて3年生の卒業を祝福する気持ちは変わらない。小宿中での学びに誇りを持ち、飛躍することを期待している」と式辞。卒業生代表の山之内慎君は「新型コロナウイルスの影響で思い描いていた卒業式ではないが、式ができない、保護者が参加できない学校がある中、全員でこの場を迎えられてうれしい」と答辞で述べた。また、「歌が好きだった学年なので」という学校側の配慮から、国歌・校歌の斉唱、記念合唱は予定通りに行われた。
在校生からただ一人出席し、送辞を述べた勝村美祐さんは「先輩にはお世話になったので、在校生みんなで卒業式に出たかった。思いはしっかり伝えられたので、今後同級生に先輩達との思い出を伝えたい」と語った。