奄美図書館で「マンガ講座作品展」

マンガ講座作品展を訪れた人

 

 

あなたにも描ける
マンガを自己表現のツールに

 

 奄美市名瀬の県立奄美図書館(有村真由美館長)3階展示スペースで、同市名瀬と瀬戸内町の公民館講座受講生による「マンガ講座作品展」が開催されている。2019年度の公民館講座を受講した児童生徒らが、自らの内面を思い思いに表現したオリジナル作品が並ぶ。同講座では、マンガの基礎から教え、子どもたちがマンガで自己表現するスキルを育んでいる。

 「マンガは、描く人のセンスを伝え、コミュニケーションを深めてくれるツール。スキルさえあれば簡単に発信できる」。同講師の福島憲一郎さんは話す。同講座では今年度、小学校1年生から高校3年生までの児童生徒が学んだ。本来は小学校3年生から受け入れ予定だったが、問い合わせが多くあり1年生から受け入れることとした。 

 当初は瀬戸内町立図書館のみでの展示だったが、レベルの高い作品が多く集まったことにより、「より多くの人に見てもらえれば」との思いから奄美図書館で展示会を開くこととなった。新型コロナウイルスの影響で公民館講座閉講式などが中止になり、子どもたちの成果を発表する場が減った。そんな中、奄美図書館が貴重な発表の場となった。

 同講座ではコマ割りやストーリー作りなど、マンガの描き方を基礎から教える。名瀬では全8回、瀬戸内町では全10回のカリキュラム。マンガが好きな子どもたちが友人と連れ立って受講し、「好きな者同士が集まって好きな物を描く」連帯感のある雰囲気だという。継続しやすく、絵の上達にもつながるとのこと。

 マンガを描くことは友人作りのきっかけにもなる。「絵が苦手、描けない」と感じている子どもでも、受講して描けるスキルを付けてもらうのが狙い。約8年継続受講してプロ級の技術を身に付けた受講生もいるという。

 福島さんは「教え子たちはSNSで自作のマンガを発信している。マンガは、IT技術が進歩した現代に合った自己表現手段。今後は奄美の魅力をマンガで発信してほしい。今回、発表の場をくれた奄美図書館に感謝している」と話した。

 作品展は3月14日~4月5日まで。平日午前9時~午後7時まで。日曜午前9時~午後5時まで。月曜定休日。