味の素AGF㈱、徳之島コーヒーPJ

味の素AGF㈱「徳之島コーヒープロジェクト」第2実証農場に、苗木約530本を植えた生産者会員たち=11日、伊仙町面縄

実証農場を拡大
伊仙町 苗木植え付け作業

 【徳之島】「日本一のコーヒーアイランド」を目指し、「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト(PJ)」を進めている味の素AGF㈱(本社・東京都渋谷区)。伊仙町面縄にこのほど追加設置した第2「AGF®コーヒー実証農場」(約10㌃)への苗木植え付け作業が11日、徳之島コーヒー生産者会(吉玉誠一組合長)の会員や家族の全面バックアップであった。

 同生産支援PJ事業は、国産コーヒー豆を使った「真のジャパニーズコーヒー」商品開発も目指している味の素AGF㈱(品田英明社長)をはじめ総合商社丸紅㈱、伊仙町、徳之島コーヒー生産者会の4者間で2017年6月に調印。同11月に育苗ハウス(同町伊仙)で播(は)種し、翌18年4月に第1実証農場(約10㌃)に苗木約200本を定植。AGF側は若手社員らを年3回派遣、同実証農場や生産者会の園で研修も続けている。

 第2実証農場は、防風対策に配慮して第1から数百㍍離れた窪地に確保した約25㌃。苗木約530本(ブラジル)は、AGFが設置した育苗ハウスのほか県農業開発総合センター支場、徳之島高校総合学科、障がい者就業支援3施設の計6カ所が1年間育苗協力した。

 植え付け作業にはAGF社員らも来島を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に協力して中止。島内の生産者会会員や家族など計22人が参加。苗の周りには強風・塩害対策の千年木(ドラセナ)も同時に植え付けた。

 生産者会の吉玉組合長(75)によると現会員数は33人、栽培面積は約8㌶。初収穫は定植後3~5年。最大の課題は防風や塩害対策。ほか面積拡大・捕植用の育苗、適性品種の選抜(耐風低木・土壌・着実など)を挙げ「次世代作物としてあと4、5年後には方向性が見えてくると思う。AGFさんのおかげで業者の問い合わせも増えている」。視察に訪れた大久保明伊仙町長は「コーヒーの島への可能性を秘めていると思う」と期待を寄せていた。