県道沿いの公園工事を終え、供用開始している龍郷小浜地区の「西郷公園」整備地
県は2018~19年度にかけて、龍郷町の龍郷小浜地区で「西郷公園整備事業」を進めてきた。今年3月末までに県道沿いの各工事を終え、駐車場、東屋、カラー舗装の園路、ベンチなどは供用開始している。園内には「西郷どんゆかりの地MAP」、夜間照明を配置、ヒカンザクラを植栽し、芝生が張られている。県は「駐車場など整備を終えた箇所から順次供用開始する方針で進めてきた。今のところ20年度中の工事予定はない。今後の整備に関しては未定。龍郷町側とも調整しながら事業を進めていきたい」としている。
「西郷公園」整備地の山手側には、西郷隆盛(変名・菊池源吾)2番目の潜居地がある。「奄美大島で最も家柄の良い郷士格の龍家本家に移り住み、愛加那(龍愛子)と結婚。長男・菊次郎が誕生。西郷隆盛はこの地に約2年8カ月潜居した」。
県観光課観光地づくり係によると、県単独事業「県魅力ある観光地事業」として整備計画。17年度に測量・設計を委託、18年度に工事着手した。
整備場所は、番屋地区にある奄美漁協龍郷支所から龍郷集落へ向かう中間付近の県道沿い。
駐車場は、観光バス利用の観光客らも訪れやすいように大型バス2台分を配置し、一般用11台分、身障者用2台分の駐車スペースを配置した。
東屋は、龍郷集落側に1棟配置し、隣に「笹森儀助島司顕彰の碑」がある。同顕彰の碑などの案内板裏側には大島紬の「龍郷柄」をあしらっている。ベンチ2基、夜間照明8基、チヂン(太鼓)の形をしたものを5基設置。ヒカンザクラは7本植えられている。石垣を設置した場所もある。
「西郷どんゆかりの地MAP」には▽南洲流謫跡▽愛加那の泉▽笹森儀助の石碑▽2番目の潜居地▽西郷翁上陸の地▽りゅうがく館▽南洲神社(奄美市名瀬の芦花部集落)―の写真と説明、場所の地図が記されている。西郷隆盛、愛加那、菊次郎、菊草の家族のイラストも描かれている。
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公園の山側には、龍郷町事業で、防護壁と落石防止フェンスを設置した。
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県道向かい側の海側には「島のブルース」を作曲した「渡久地政信顕彰碑」「島のブルース歌碑」がある。