手造りの憩いの場「海の家」代表 満元洋一郎さん

朝仁海岸の掃除をし、墓石を彫り、週末は料理の腕をふるう満元さん

大好評のいちごかき氷 子どもは100円

手造りの憩いの場「海の家」

朝仁の海を臨む立地
週末のみ料理の腕ふるう

 奄美市名瀬朝仁海岸。中央ほどのところに「海の家」がある。開店している時は、海側に看板が立つ。手造りで建物を完成させたのは、満元洋一郎代表(62)。 

 建物内外の壁や、柱テーブル、椅子には彫刻が施され、看板の美しい文字も満元さんが書いたもの。驚くばかり。「神社の補修作業とか宮大工していたおじさんの見よう見真似よ」とさらりと言う。 

 奄美市名瀬朝戸で墓石石材の仕事も務める満元さんは、母親を介護しながら建物造りをしていたが、母親が亡くなった3か月後の2017年9月に「海の家」をオープンさせた。
かつてハワイやタイ、東南アジアを遊学して料理を覚え、帰国後に取得した調理師免許で、週末の3日間だけ食事も提供(午前11時~午後7時。夜は予約のみ)。子どもたちに100円のかき氷は大好評だ(大人は200円)。

 これまでは平田輝さんたちがライブをしたり、にぎわう場だったが、新型コロナウイルス騒動でライブは中止。店内に手作りのマスクもおいていることから、「マスク有ります」の看板を見て、車を下りて購入する人も訪れる。「こんなところにお店があるの知らんかった」と話す人が多いらしい。

 奄美でも朝仁海岸の美しさは類を見ないほど、浮き球やごみがない。それも満元さんが一役買っていた。海岸の掃除用具を納める倉庫の場所を満元さんが提供。気が向くと掃除をしてごみ袋に入れ堤防に重ねていく。そこかしこにごみ袋が置かれているが、毎週月曜日には、奄美市のごみ収集車が回収するシステムができているという。「東京から移住してきた山元順公さんと中村保さんのお陰よ」と話す。

 「海の家」と隣の自宅から両側にはアダンがびっしり。防風林の役割が大きく、台風の時も自宅や「海の家」の屋根などが破損したことはないという。海岸の掃除をしながら、朝戸で墓石を彫り、週末に料理の腕を振るう満元さん。仕事の相棒・栄ひろ子さんは、「お母さんの介護もマメにしていたし、なんだか、なんでもできるかっこいいおじさんだよねえ」と社長をべた褒め。

「海の家」電話080―3968―9737