六月灯も中止へ

新型コロナの影響で、「六月灯」夏祭りも中止へ(写真は昨年の高千穂神社=名瀬=)

県神社庁、自粛通達
奄美の高千穂神社

 県内の神社や寺院で行われる夏の風物詩「六月灯」―。奄美大島島内にある高千穂神社(名瀬、古仁屋)で7月下旬開催が予定されていた六月灯・夏祭りが中止になることが、18日までに関係者への取材で分かった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、県神社庁が今月8日付で、県内の各神社(宮司約200人)宛てに祭りの自粛要請を通達していた。

 奄美群島の六月灯で最も多くの人出がある、奄美市名瀬の高千穂神社(黒木正和宮司)は7月25・26日開催を予定。奄美大島5市町村の夏まつり中止、コロナ感染の終息見通しが立たない状況から、総代会と協議を重ね中止を決定した。

 同神社関係者によると、戦時中、台風接近に伴う以外での夏祭りの中止は初めて。神事(26日)は行うがステージや縁日などは行わない。すでに警察や消防、祭り出演団体には連絡済みという。

 黒木宮司は「開催時期は移動が増える。感染拡大防止の観点から、今回の判断に理解願いたい」と話した。

 瀬戸内町の古仁屋高千穂神社(昇清隆宮司)も同月26日開催を予定していたが、中止する方向で調整中。また浜下り(11月)など、今後の行事についても感染状況を踏まえ判断する方針だ。

 そのほか、3年前に復活した徳之島町亀津での祭りも、地元の自粛要請や準備不足などを理由に中止を検討しているという。

 六月灯は旧薩摩藩領に伝わる夏祭り。旧暦の6月に神社に灯ろうを奉納し、無病息災を祈る伝統行事。毎年7月になると県内神社で開かれている。