県議会一般質問

オンライン診療、奄美市4医療機関で
特別支援学校1人1台端末、今年度中に完了へ

6月定例県議会は8日から一般質問に入り、同日は松田浩孝議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、下鶴隆央議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、伊藤浩樹議員=自民党、出水市区=、桑鶴勉議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症対策では、電話や情報通信機器を用いたオンライン診療は感染防止の観点から時限的な取り扱いとして初診から対応可能となったが、5月時点で県内17市町の140医療機関が実施することとしている。奄美関係では奄美市4、瀬戸内町1の医療機関が含まれている。

初診からのオンライン診療について、地頭所恵くらし保健福祉部長は「初診から電話等を用いて診療を行う場合、対面で診療を行う場合と比べ患者の情報を得ることが困難とされており、国においても実施状況を踏まえて改善等の検証を行うこととされている」と説明。実施医療機関は厚生労働省のホームページで公開(奄美市=ファミリークリニックネリヤ、名瀬徳洲会病院、奄美中央病院、笠利病院▽瀬戸内町=瀬戸内徳洲会病院)している。

新型コロナ影響で収入減少があった世帯を対象に広げるなどの特例措置が創設された緊急小口資金・総合支援資金の申請状況の答弁もあった。地頭所部長によると、県社会福祉協議会において貸付の申請を受け付けており、5月末時点で緊急小口資金4325件・約7億7千万円の申請があり、すべて同額で貸付決定。総合支援資金は647件・約3億4千万円の申請があり、すべて同額で貸付決定。月ごとに分割送金される見込み。

学校の臨時休校に伴う対応は東條広光教育長が答弁。オンラインによる学習支援は県立高校61校のうち26校が課題を解説した動画等の活用や同時双方向型の授業などを実施し、一部の小中学校でも同様の対応が行われたとしたうえで、「今後、長期にわたる臨時休業を行わざるを得ない場合は、オンラインによる支援が効果的であることから県教委、市町村教委で国の補正予算を活用し、学校のICT機器の整備を進めていく」と述べた。また、特別支援学校におけるオンライン学習の充実は「児童生徒1人1台の端末整備を今年度中に完了させるとともに、障がいの状態に応じた入出力支援装置を整備するなどICT機器活用によるオンライン学習が可能となるよう努めていく」との答弁があった。

新型コロナ対応の国の二つの交付金(地方創生臨時交付金、緊急包括支援交付金)が取り上げられた。感染拡大を防止するとともに、影響を受けている地域経済や住民生活を支援し地方創生を図るため、地方公共団体に地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業が実施できるよう創設されたのが地方創生臨時交付金。鹿児島県では休業要請に対する協力金支給、事業継続支援金の支給、県内消費を喚起するためのプレミアム付き商品券発行やディスカバー鹿児島キャンペーン事業(県内観光を促す宿泊助成等)などの施策に充当している。国の第2次補正予算案により、新たな生活様式を踏まえた地域経済の活性化を図る観点も含めて2兆円増額の閣議決定がなされた。

緊急に必要となる医療提供体制の整備について地域の実情に応じて、柔軟かつ機動的に実施できるよう創設されたのが緊急包括支援交付金。県では感染症の軽症者等の宿泊先の確保や帰国者・接触者外来を設置している医療機関、感染者を受け入れる医療機関の設備整備の支援などに充当。国の第2次補正予算案において抜本的に拡充し、医療や介護福祉の提供体制の整備などを推進するとされ、同補正予算案における措置を含めて全額国庫負担となる。

平木万也総務部長は「この二つの交付金について引き続き感染拡大の防止等や医療提供体制の整備、感染拡大の影響を受けて地域経済、住民生活の支援などの事業に活用するなど今回、国において増額された趣旨を踏まえた事業の財源として有効に活用していく」と述べた。