県議会一般質問

延期後の開催日程 終息状況踏まえ決定
登録可否審議の世界遺産委

 6月定例県議会は9日、引き続き一般質問があり、松里保廣議員=自民党、西之表市・熊毛地区=、禧久伸一郎議員=自民党、大島郡区=、岩重仁子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、中村素子議員=自民党、阿久根市・出水郡区=が登壇。禧久議員が取り上げた奄美・沖縄の世界自然遺産登録の可否が審議される予定の世界遺産委員会が、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の状況から開催が延期となった中、今後の開催については感染症の終息状況等を踏まえ今後決定される予定との見通しが示された。

奄美群島キャッシュレス店舗大幅増

 松下正環境林務部長が答弁。ユネスコによると延期後の開催日程は「検討中とされている」としたうえで、今後、世界遺産委員会の開催日程が決まれば「IUCNの勧告は委員会開催の6週間前までに寄せられるというルールに従って内容が明らかになる予定」と説明。県としては引き続き環境省との連携を密にして情報収集を行うとともに、国や地元等と連携を図り世界自然遺産としての価値の維持、自然環境の保全と利用の両立を図る取り組みを着実に進めていく方針。

 関連して奄美群島認定エコツアーガイド・地域通訳案内士の現状・取り組みの質問もあった。当局答弁によると、認定エコツアーガイドは現在109人が認定され、広域事務組合が新たな養成を行うとともに、今年度はすでに認定されているガイドのスキルアップを図るため講習実施が予定されている。世界自然遺産に関する知識も学んでいる地域通訳案内士(外国人観光客対応)は現在104人が登録、今年度スキルアップ講習が予定されている。

 奄美群島でのキャッシュレス決済店舗の状況は五田嘉博商工労働水産部長が答弁。それによると、国のキャッシュレス消費者還元事業による奄美地域の加盟店登録は昨年10月の490店から、今年6月1日には3倍強の1595店と大幅に増加。業種別では小売業681店、飲食業282店などで「さまざまな店舗にキャッシュレスが広まっている」。県では昨年度説明会を奄美地域で3回開催したが、今年度も各地で事業者向け研修会を行うほか、今年9月開始される民間のキャッシュレスサービスを活用した国の「マイナポイント事業(マイナンバーカード活用)」の周知広報に取り組む。

 新型コロナウイルス感染症関係では、6年前作成の「新型インフルエンザ等対策行動計画」ガイドラインの活用・課題が取り上げられた。今回の新型コロナにより、同計画で新たな対応が必要となる事項として地頭所恵くらし保健福祉部長は、県境レベルでの人の移動に関する水際対策や無症状・軽度の感染者に関する宿泊療養などを挙げ、「県行動計画に加え、今般の新型コロナ感染症への対応で整備が進んでいる各般の対処方針や知見を追加的な枠組みとして踏まえ今後の感染拡大に備えて組織的に対応していく」と述べた。