16年ぶりに「りりしく」再生

       まもる君before             まもる君after

色ぬりをする6年生児童ら

ピカピカのまもる君と一緒にハイ、チーズ!

瀬戸内町加計呂麻島 伊子茂まもる君
ずっと見守ってくれて「ありがとう」!

 瀬戸内町の加計呂麻島のシンボルとなりつつある、「伊子茂まもる君」ーー。約50年前に地域の交通安全を見守るために設立されました。風化が目立っていたまもる君を、交通安全強化の意味も込めて、16年ぶりにカラーリングを行いました。同町の伊子茂小中学校(櫻井登校長、児童生徒24人)の子どもたちや地域の方々が協力し、「りりしく」生まれ変わる途中のまもる君の姿を、当時町議員として設立に携わった康村義男さんも見学に訪れ、にぎわいをみせました。

 カラーリングは、町の地域貢献活動・家庭教育学級のメンバーが「生徒や地域住民の声を受け」発案。当日は
生徒が色を塗る姿を保護者や地域の人々、瀬戸内警察署の交通課長、県交通安全協会の事務局長、伊子茂集落の区長などが駆けつけ見守りました。

 また、作業をしやすいように、同町古仁屋の建設会社・㈱伊東組の工事主任である豊原竜一さんたちの発案で、まもる君のまわりに足場を組んでもらいました。

 当日は小学6年生の川内健太郎くん、鈴木太=だい=くん、三島虎太郎くんが真剣な面持ちで頭部分を中心に色を塗り始め、下級生、中学生の順番で仕上げていきました。汗ばむほどの晴天の中、「わたしもやりたい!」と、みんなやる気まんまん。途中、「まもる君は日焼けしないんだね」、「海を見ることができなくてかわいそう…」。そんな素朴な意見も聞こえ、和やかな雰囲気で作業は進みました。

 徐々に息を吹き返すように色鮮やかに生まれ変わる、まもる君。約1時間の作業を終えた川内くん(6年)は、「(作業の)前のまもる君は塗装が剥がれたりしていたけど、きれいになってうれしい。『ずっと僕たちのことを見守ってくれてありがとう』と伝えたい」と感謝を述べ、満面の笑み。

 鵜澤さくらさん(中3)は、「まもる君が若返った。みんなが事故にあわないように頑張ってほしい」と激励しました。

 作業後には同協会の春田直昭事務局長が、「見違えるようですばらしい。これからも交通安全に注意して過ごしてほしい」と述べ、子どもたちに反射材を手渡す場面も。

 子どもたちの帰宅後に同校のPTA会長、伊子茂校区子ども会会長、伊子茂集落の美容院の美容師らが細部を仕上げ完成しました。

 同校の藤本暁教頭先生は、「新型コロナウイルス禍の影響もあり、生徒たちもストレスがあったと思うが、きょうはみんなの笑顔を見ることができよかった。伊東組の豊原さんから、『学校裏には山、そばには海があり、まもる君は交通安全だけではなく、土砂崩れなどの災害からも地域を守っている』との声に共感した。これからもまもる君を大切にし、地域の安全をはかりたい」と語りました。