大島紬着付け体験・講義

大島紬の柄の違いなどを学びながら、着付け講習を受ける生徒ら

着付けを終えて

「初めて着る」生徒多く
北高1年生

 大島北高校(下髙原涼子校長)は17日、総合的な学習の時間を使い、大島紬の着付け体験と講義を実施した。講師に(公財)奄美群島地域産業振興基金協会を通じて本場奄美大島紬協同組合青年部会(南晋吾会長)の会員7人を招き、1年生(51人)を対象に5・6限で講習を行い、大島紬の歴史や伝統継承の大切さを学んだ。

 普通科と情報処理科に分かれ、普通科は5限に着付け体験をし、6限に講義を受けた。

 着付け体験では男女に分かれ講習スタート。初めて大島紬を着る生徒が多数だった。男子生徒はまず、着物選びから。「どれがいいですか」の問いに「一番かっこいいもの」と答えるなど、着物の柄に興味を示した。女子生徒は講師の指導にそって襦袢=じゅばん=の襟元などを調整しながら着付けを進めていった。着物が配られると、「かわいい」、「似合ってる」と言い、普段と違うお互いの姿に笑顔を見せた。

 講義では、大島紬の歴史や技術工程、技術の繊細さを図や写真などで教示。世界三大織物に含まれ、国際的な注目度の高さや、着物愛好家からの憧れの存在であることも伝えられた。終盤では、「昭和30年ごろをピークに生産者が減少傾向となっている」現状に触れた。

 普通科の榮愛真音=あまね=さんは、「古くから伝わる伝統工芸品を継承していく大切さを学んだ。奄美だけではなく、全国的、世界的に伝えていきたいと思った」と話した。同科の久松要太さんは、「大島紬を着たのは初めてだった。貴重で高価なものと知り、少し緊張した」と感想を語った。

 同青年部会の南会長は、「着付けを体験することで、生徒たちがより深く大島紬を理解するきっかけになれば。自分たちも大島紬に携わる者として、伝えることでスキルアップにつながる」と話し、「若い人が知識を深めることで、後継者が少しでも増えればうれしい」と述べた。